昨日、錦糸町を訪れたついでに、ちょっと足を延ばして亀戸までラーメンを食べに行ってみた。その名も「ドゥラメンテイ」。
どうしても昨日に行っておきたい理由があったのである。その理由はこの店名―――ではない。もちろん2015年の2冠馬ドゥラメンテを意識したネーミングである。だからと言って昨日である必要はない。
注文したのは肉ワンタン麺。全粒粉のストレート中細麺は、啜るたび小麦の風味が香る。のど越しも歯切れも痛快。だが、この店にわざわざ来たのはこのワンタンにある。分厚いワンタン皮の中には、しっかり下味が付けられた肉がパンパンに詰まっている。
ワンタンと言うと、京都の「八ツ橋」のような薄っぺらいやつをイメージされる方もいらっしゃるかもしれないが、あれは正確には「扁食(ペンス)」という福建省の料理である。福建省出身の華僑が長崎でペンスの店を出し、なぜかそれが「雲呑(ワンタン)」として全国に広まってしまった。
団子ほどの大きさに丸めた餡をワンタン皮の真ん中に置き、四隅を摘んで一か所でまとめギュッと押さえると、テルテル坊主を逆さにしたような形になる。これぞ本物のワンタン。それを昨日食べたいと思ったのは、「ワンターンに駆けろ」のキャッチコピーで始まった習志野きらっとスプリントの当日だから。筆者はこのレースが行われる日には必ずワンタンを食べることにしている。
それにしても競馬ファンにとって気になるのはこの店名であろう。店主が以前修行していたワンタンの名店「八雲」の師匠が名付け親だという。店主もその師匠も競馬好きであることは間違いない。しかも上手いことに Duramente は「ramen」を内包する。
習志野きらっとスプリントの出走メンバーに残念ながらドゥラメンテ産駒はいなかった。しかし代わりと言っては何だが、ドゥレッツァのインターナショナルS遠征が発表になっている。ヨークの10ハロン56ヤードで争われる英国の夏を代表する名物レース。そのコース形態は、向こう正面をスタートして3コーナーと4コーナーを回ってゴールに戻るだけだからワンターンと言えなくもない。ドゥラメンテイのワンタンは絶品。ドゥラメンテ産駒のワンターンにも期待しよう。
***** 2024/7/19 *****