あれから6年

今日9月6日は北海道胆振東部地震の発生日。道内のテレビは朝からそれを報じていた。日本屈指の馬産地を唐突に襲った大地震から丸6年になる。

安平、厚真、むかわ、日高、新冠。テレビから馴染みの地名が繰り返し聞こえてきて不安が増した。厚真町で発生した大規模土砂崩れの空撮映像には言葉を失った覚えがある。平取からノーザンファームに向かう際によく使うルート。遥か向こうの山並みまで、およそみえる範囲の山という山は、斜面が崩れて茶色い山肌を晒していた。

厚真町内(2018年10月撮影)

あれから6年。新千歳空港の出発ロビーはお土産を買い求める客でごった返している。あの日、すべての航空機の運航が停止し、空港全体が閉鎖されたことが嘘のようだ。

筆者も北海道に来れば人並みにお土産を買って帰る。

札幌や函館の競馬開催に加え、牧場巡りや競走馬のセール。最近ではそこにエスコンフィールド通いも加わった。地震を経ても北海道を訪れる機会は多い。そのたびに家族へのお土産に頭を悩ましていたのだが、家族もなんだかんだで北海道には詳しいから、最近では土産の品を指定してくれるようになった。これは助かる。

それがこの3点セット。

右端の「ガラナ」は長女のリクエスト。戦後、コカコーラ社の日本進出に対抗して全国清涼飲料協同組合連合会が「コアップガラナ」として発売。その後、北海道以外の地域では海外の飲料に押されて姿を消す中、コカコーラ社の爆撃を逃れた北海道だけに定着したという歴史を持つ。

カツゲン」は次女。こちらは戦前に旧日本陸軍からの要請を受けて北海道製酪販売組合が開発した乳酸菌飲料「活素(かつもと)」がそのルーツ。現在は雪印メグミルクが製造しており、「カツゲン」というその語感から受験生のお守りとしても人気が出ているという。

そして妻は定番の「サッポロクラシック」をオーダー。これに今回は山わさびの醤油漬を加えてみた。山わさびは北海道ではメジャーな薬味で、清流に生える本わさびとは異なり土中に生える。その辛さは本わさびの1.5倍以上とされ、涙が出るほど辛い。札幌競馬場スタンド3階の売店「Tokijiro」(店名は「Two days」として営業)の豚丼にも山わさびがたっぷり入っていた。豚の脂感をさっぱりさせるだけでなく、強烈な辛味が肉の甘味を見事に引き出している。

飲み物も山わさびも道内のスーパーで購入可。お手頃価格というのもありがたい。しかし、おかげで今度は別の問題に悩まされることになった。これらをすべてカバンに詰め込めば、それだけで2~3キロは負担重量が増えてしまう。カメラ機材を含めた総重量は10キロをゆうに超えた。あさっての京成杯AHで実質的にトップハンデを背負わされるアスコリピチェーノの気持ちが分かったような気がする。とはいえ、あの地震のことを思えばどうということもない。お土産を買って帰ることができる幸せを噛み締めよう。

 

***** 2024/9/6 *****