2024-05-01から1ヶ月間の記事一覧

モシーンの旅路

2018年の関屋記念を勝ったのは3歳牝馬のプリモシーンだった。関屋記念での3歳馬の優勝はエイシンガイモン以来22年ぶり、3歳牝馬としてはクールハート以来実に31年ぶりの出来事。ちなみにクールハートは6番人気の伏兵だったが、プリモシーンは歴…

新馬が始まる

JRAは開催替わりのはずだが、今週以降も引き続き東京と京都の開催が続く。とくに西日本は本来なら夏の阪神開催が始まるはずなのに、阪神競馬場改修に伴う開催変更で聖護院特別とか若狭湾特別などという聞き慣れないレース名が並んだ。ともあれ、先週まで…

「グレード制導入以降」の使い方

レース前にダービー出走馬に対してアヤを付けるような真似はしたくなかったので、ダービーの話題もひと段落したこのタイミングで書くことにする。先週公開された一本の記事の内容がずっと引っ掛かっていた。「エコロヴァルツがダービーを勝てば、福島で初勝…

香港馬の持ち時計

陸上競技の100m競走のコースを想像してほしい。スタートラインからフィニッシュテープまで、いったい何メートルだろうか? 答えはきっちり100m。当たり前だ。だが、これが競馬となると当たり前ではなくなる。たとえば今週の安田記念は1600mで行…

ダービー翌日の恐怖

「体調はなんともないの?」 自宅で朝メシを食べていると、不意に家人がそう聞いてきた。昨夜飲んだ覚えはないし、発熱もない。食欲もすこぶる旺盛で、まさにこれからごはんのおかわりに立とうとしたところだ。まったく体調に不安はない。 1997年 日本ダービ…

父と息子の日本ダービー

84歳で独り身の父親の通院に付き合うため、朝から埼玉県は春日部へと足を運んだ。 よりによってこんな日に……。数年前ならそう思ったに違いない。なにせ今日はダービー。年に一度の特別な一日である。私自身1991年から2018年までの28年間、現地観…

ダービー前日のストライキ

JRAの厩務員や調教助手らが所属する関東労(986名)、関西労(238名)、美駒労(122名)が調教師会に賃上げなどを要求した団交が決裂し、本日午前零時から24時間のストライキに突入している。同労組によるストライキは昨年3月に続いて2年連続。昨年同…

ウインドインハーヘアのダービー

先週土曜の東京11レースに出走したアサマノイタズラタと京都10レースに出走したモカフラワーは、ともに母がハイタッチクイーンだから兄妹ということになる。西と東に分かれてレースに臨んだが、結果は16着と7着。兄妹が揃って同時に勝つのは、やはり…

アナゴの季節

オークス当日の食事は場内で食べ歩くのをやめて自席でお弁当をいただいた。穴子寿司と鶏めしのセット。すなわち「穴取り」である。 むろんこんなことで穴馬券が取れれば苦労はない。アナゴに引っ掛けて京都の愛宕特別に手を出してみたが、よもやの1→2→3番…

登録の重み

日本ダービーの優勝賞金は、ジャパンカップ、有馬記念に次いで国内のレースで3番目に高い3億円。しかし付加賞があるから厳密にはもっと高い。今年の場合、優勝馬には約2700万円が支払われる。付加賞と言えども、実入りが1割増しとなればバカにはでき…

懐かしのダービースタリオンステークス

ダービー当日の東京8レースが「青嵐賞」として行われるようになって久しい。「青嵐」とは、青葉のこの時期に吹く、やや強い風のこと。2勝クラスの芝2400m戦で、ダービーと同じコースで行われることから、嫌でも注目を集めることとなる。2017年の…

母の雪辱、父のリベンジ

オークスデーの出馬表にオークス馬の末裔を見つけた。それも1頭や2頭ではない。よもや示し合わせて出走するここともないだろうから、偶然の為せる業であろう。こうなるとこの馬たちの馬券を買って応援したくなるのが、正しい競馬ファンの心理であると信ず…

4頭目の女王

秋の東京で行われるアルテミスSは2012年創設の若い重賞だが、早くもクラシックへの登竜門になった感がある。クラシックに必要なスピード能力と底力が求められる東京マイルに、敢えて挑む素質馬が揃うせいだろう。過去の連対馬にはレッツゴードンキ、メ…

優勝はアパパネの仔

今日の都内は29度の暑さに見舞われた。7月上旬並みだという。ならば夏競馬だ。これが明日のオークスに影響を与えたりしないだろうか。クイーンズウォークやタガノエルピーダは夏の競馬を知らない。逆にステレンボッシュとショウナンマヌエラは昨年7月の…

平成の思い出

かつての水道橋界隈には知る人ぞ知る立ち食いそば店があった。その名も「とんがらし」。ウインズ後楽園から橋を渡ってJR水道橋駅西口を通り過ぎ、水道橋西通りをそのまま南へ3分ほど歩く。駅からは遠く、回転が早いはずの立ち食いそばの店なのに行列が絶…

ゴチになります

夜通し降り続いた雨は午前中に上がって、青空が広がった大井競馬場。午後から強い南風が吹きつけると、羽田に降りる飛行機は競馬場上空のルートを通るようになる。5分おきに轟音が響き渡るが、馬たちは案外平然としているものですね。むしろ人間の方がいち…

ゴボウ抜きの美学

昨今では滅多に見かけなくなったが、昔の蕎麦屋のメニューには「抜き」という注文の方法があった。例えば「天ぷらの抜き」は、海老天に熱いツユをかけただけの代物で、要するに「天ぷら蕎麦の蕎麦抜き」という意味である。昔の江戸っ子は、「抜き」を吸い物…

2600mの大井記念

明日行われる大井記念は、今でこそ帝王賞の前哨戦として2000mで行われているが、つい最近まで2600mで行われていた。当時の優勝馬にはアブクマポーロやネームヴァリューといったダートグレードウイナーも名を連ねる。道営のステイヤーカップ(※すで…

中央フリーウェイ

今週日曜の東京ではオークス当日の名物レース・フリーウェイSが行われる。 例年ならオークス前の10レース。ゆえにいまひとつ注目されにくい。みんなオークスのことで頭がいっぱい。フリーウェイSが発走する頃には、ファンも関係者もパドック周辺を埋め尽…

あれから7年

「完全に僕のミスです。位置取りが後ろすぎるし、外を回りすぎた」 ヴィクトリアマイルからの帰りの車中で、彼のそんな言葉を思い出した。 言葉の主は津村明秀騎手。2014年のフェブラリーS、1番人気カフジテイクの手綱を任されながら3着に敗れた直後…

薫風吹きすさぶ

東京競馬場は今日も好天。ただし風は強い。時おりピューピューと風切音を伴った突風が吹き荒れる。馬場内のグルメイベント会場は修羅場だった。ビールのコップも中身が入っていようがお構いなしに飛ばされる。コップと料理のお皿を抑えながら箸で何かを食べ…

8年ぶりのホースショー

連休中の話になる。 東京五輪に伴うリニューアルを経て8年ぶりの開催となった馬事公苑のビッグイベント「ホースショー」は、障害馬術競技会としては国内トップクラスの人馬が集まる日本馬術連盟公認の競技会。それに相応しいハイレベルの熱戦が8年ぶりに馬…

年に一度の「たらこデー」

その体型に違わず高い尿酸値を誇る私。いまのところは予備軍で済んでいるが、いつの日かあの恐ろしい痛風を発症してしまう可能性はある。だからここ数年の間、魚卵を断つとは言えないまでも、できるだけ控えてきた。中でも好物のタラコ(むろん明太子も)は…

4年ぶりの「前代未聞」

前代未聞/ぜんだいみもん今までに一度も見聞きしたことがないほど珍奇であること(イミダス) 今日の川崎競馬場4レースで「前代未聞」の出来事があったらしい。なんだなんだとニュースを読んでみれば、カンパイの合図が騎手に伝わらず、全馬競走除外扱いで…

連覇

明日行われるエンプレス杯は節目の70回目。しかし第58回が雪のため中止となっているので、実質的には69回目ということになる。1995年からJRAとの交流重賞となったが、その最初の6年間はホクトベガ、シルクフェニックス、ファストフレンドの3…

一軍の壁、重賞の壁

ゴールデンウィーク期間中も野球場に足を運ばねばならぬ身である。連休も今日が最終日。曇り空のZOZOマリンでは間もなくロッテvs西武の試合が始まる。 名古屋グランプリを観てから、バンテリンドームで巨人vs中日という素敵なプランも考えてはみた。それ…

チャンピオン対決

NHKマイルカップは前身のNHK杯から模様替えして29回目。ついに、2歳牡馬チャンピオンとと2歳牝馬チャンピオンの直接対決が実現した。 ジャンタルマンタルとアスコリピチェーノ。どちらも無敗の2歳チャンピオンで鞍上は川田将雅とクリストフ・ルメ…

メトロポリタンSを見逃すな

今日の東京はプリンシパルSをメインに特別3鞍がすべてオープンクラスという珍しい番組編成。準メインという立場に甘んじたとはいえ、注目度ではメトロポリタンSも負けていない。メツルマルボーイ、タップダンスシチー、ナカヤマフェスタ、ラブリーデイな…

第1回分倍河原ステークス

東京競馬場の隣、分倍河原駅の改札を出てロータリーに出ると、大きな騎馬のブロンズ像が目に飛び込んで来る。「新田義貞公之像」である。 府中市の分梅町周辺は1333年に新田義貞が北条泰家を破り、鎌倉幕府を滅亡に追い込むきっかけとなった「分倍河原の…

ブゼンと聞けば思い出す

東京には馬にちなむ地名が少なくない。堀部安兵衛のあだ討ちで名高い高田馬場をはじめ、新馬場、駒込、馬喰町、小伝馬町など、街中に馬がいることが珍しくなかった江戸時代の情景が伝わってくる しかし現代の東京で馬の姿を見かける機会はほとんどない。ふた…