国立特別初代チャンピオン

明日の東京10Rは国立特別。2勝クラスによる芝1600mに10頭が揃った。

国立特別は2007年に始まったが、実施されない年もあるので、これまで15回しか行われていない。初回の優勝馬はサクラバクシンオー産駒の4歳馬リザーブカード。先行策から直線で早めに抜け出すと、手綱は持ったまま先頭を譲ることなく押し切る強い競馬だった。

2007年 国立特別 リザーブカード 蛯名正義

4歳秋にして4勝目を挙げたリザーブカードは、その後10歳まで走り続ける。通算59戦6勝。獲得賞金2億1570万円は、強豪馬がひしめくサクラバクシンオー産駒の中で14位にランクインする。

メイショウサムソンやアドマイヤムーンと同じ2005年の夏にデビュー。新馬勝ちを果たすと、翌春のニュージーランドトロフィーではファイングレインに激突される不利がありながら5着に食い込み、阪神牝馬S2勝の名牝ジョリーダンスと接戦を繰り広げ、仲冬Sではのちの安田記念馬ショウワモダンを完封し、関屋記念ではマルカシェンクに激しく迫り、そしてついにマイルチャンピオンシップと安田記念という2つのGⅠの舞台にも立った。

手綱を取った騎手は、安藤勝己、吉田隼人、五十嵐雄祐、三浦皇成、山本康志、四位洋文、柴山雄一、柴田善臣、松岡正海、川須栄彦、川田将雅、田中克典、藤田伸二、内田博幸、浜野谷憲尚、穂苅寿彦、北村宏司、そして蛯名正義。18人もの名手の名前が、8年間で59戦のキャリアを物語っている。

ちなみに、これが馬名の由来にもなった「リザーブカード」のリザーブカード(席札)。GⅠ出走が叶わなければ、この栄誉に触れることもなかった。

サクラバクシンオー産駒としては獲得賞金14位でも、ベーリングを母の父に持つ馬としては獲得賞金日本一。「BMS・ベーリング」と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、種牡馬ハービンジャーであろう。ベーリングは当時2400mだった仏ダービーをレコードで勝ち、ハービンジャーはキングジョージを史上最大着差でレコード勝ちしている。

平地では1400~1600mばかりを使われたリザーブカードだが、マイルより長い距離では中山記念の7着が一度あるのみ。出走レース選びに苦労しなかったこともあろうが、血統表の母父欄を見るにつれ、もう少し長い距離の走りも見てみたかったような気がする。

 

***** 2026/10/30 *****

 

オキザリス賞と言えば

今週土曜の東京で行われるオキザリス賞は2000年にスタートしたが、実施されない年もあったりして、これまでに15回しか行われていない。しかしそれほど長くない歴史の中に、アジアエクスプレスやドライスタウトといったGⅠ優勝馬を含む多くの重賞ウイナーが名を連ねている。

2024年 オキザリス賞 プロミストジーン T・マーカンド

わずか15回とはいえ、レースとしての個性は感じなくもない。まずは新種牡馬産駒の活躍が目立つ。2013年アジアエクスプレスの父ヘニーヒューズも、2017年ダークリパルサーの父ハードスパンも、2024年プロミストジーンの父ナダルも、すべて新種牡馬だった。

2017年 オキザリス賞 ダークリパルサー 戸崎圭太

なかでも印象的だったのは2013年のアジアクスプレス。2着に7馬身差をつける圧勝劇に新星誕生を予感したのは、ひとり私だけではあるまい。

2013年 オキザリス賞 アジアエクスプレス R・ムーア

手綱を取ったライアン・ムーア騎手は、「馬がまだ子供。まっすぐ走らないし、走るのをやめようとするから、ずっと追わなければならない。終いは良い脚だった。経験を積めばもっと良くなる。芝もこなせると思う。距離はマイルまでなら大丈夫」とまくしたてた。一見辛口の評価にも聞こえるが、無口な彼がここまで話すのは珍しい。きっと何か感じるところがあったのだろう。

実際、アジアエクスプレスは次走に芝の朝日杯2歳Sを選択して勝ってしまう。それがもうひとつのオキザリス賞の特徴「芝・ダート二刀流馬の活躍」ではないか。アジアエクスプレスのみにとどまらず、2023年の勝ち馬ノヴァエクスプレスは芝1400mの新馬戦を勝っていたし、2015年の優勝馬オーマイガイは、のちに阪神芝マイルで1分32秒3の好時計で勝っている。

芝での勝ち星は挙げられなかったものの、二刀流ということで言えばグラスエイコウオーに触れずにはいられない。2000年に始まったオキザリス賞の最初の優勝馬だ。

2000年 オキザリス賞 グラスエイコウオー 村田一誠

オキザリス賞のあとは、芝に適当な番組が無かったという事情もあって、朝日杯3歳S、ジュニアC、クリスタルC、NZTと芝のレースを転戦するが結果が出なかった。迎えたNHKマイルCが13番人気の低評価だったのもやむを得まい。しかし軽快に逃げたグラスエイコウオーはゴール寸前まで先頭を譲らず、場内を大いに沸かせた。

結果、クロフネの強襲に屈したが、その差はわずか半馬身。立派な2着と言って良い。その後も、AJCCで2着するなど、芝・ダートを問わず長く堅実に走って重賞戦線を盛り上げた。今年のオキザリス賞に出走するニシノイサリビは芝で3戦1勝。先々の活躍に思いを馳せつつ、初めてとなるダートでの走りを見届けたい。

 

***** 2026/10/29 *****

 

TCK新時代へ

今日は大井ではマイルグランプリが行われたが、2006年のマイルグランプリを勝ったのはGⅠ級5勝のアジュディミツオー。その勝ち時計1分37秒2は、カツスイセーが記録した時計を27年ぶりに更新するコースレコードだった。あれから20年経った今もそのレコードは破られていない。ちなみに今日の優勝馬ソニックスターの勝ち時計は1分39秒3。ベアバッキューンとリコースパローが競り合う展開はハイペースにも見えたが、それでもレコードより2秒1も遅い結着だった。

大井のトラックレコードの更新は至難である。

芝のトラックを持たない地方競馬場では、コースのバリエーションを増やすため、100m刻みのコース設定をすることが少なくない。しかしわずか100m程度の差では、馬の距離適性に大きな影響が現れにくく、コース設定そのものが意味のないものになってしまう。そこで大井では1986年、トゥインクルレース開催に合わせて路盤の大幅改修を実施した。重い砂を深く敷き詰めることによってタフなコースに変貌させ、たとえ100m単位の距離伸縮でもそれなりの意味を持たせたのである。改修前との馬場差は1600mで3~4秒。トゥインクルを機に、大井はまったく違う競馬場に生まれ変わったと言ってもいい。

2010年の東京大賞典でスマートファルコンが2000mで、翌年のJBCレディスクラシックではミラクルレジェンドが1800mのレコードを更新してみせた。そして3年前の東京盃ではドンフランキーが1200mでレコードを更新している。こうしたJRA所属馬が走る距離ならいざしらず、地方馬しか走るチャンスの無い1600mでレコードを更新したアジュディミツオーは、やはり突出した能力の持ち主だったに違いない。

2006年 マイルグランプリ アジュディミツオー 内田博幸

このマイルグランプリは諸事情あって内馬場からの撮影だった。ちなみに近年の大井は内馬場に入ることが許されていない。入ることができるのは「メガイルミ」のときだけ。その「メガイルミ」は今年も今週末から開催されるが、来年以降は休止となるそうだ。

休止の理由は大井競馬場の大規模再整備によるもの。来年に着工し、2033年の完了を目指すという。千葉県市原市に新設予定の「市原トレーニングセンター(仮称)」と合わせた整備費の概算は約1600億円。それでも昨今の建築費高騰の煽りを受けて、計画縮小を余儀なくされていると聞く。

1995年 ワード賞 グランドサイト 桑島孝春

かつての大井の内馬場と言えば、名物のオッズ掲示板が威容を誇っていた。その後さまざまな変遷を経て現在に至る。新生・大井競馬場は果たしてどのように生まれ変わるのか。筆者は1600mでもJRA交流競走を行えるように改修して欲しいと願っていたが、それはどうやら難しいようだ。路盤の改修があるのかどうかも気になるところ。それが明らかになるのは7年後だ。

 

***** 2026/10/28 *****

 

【訃報】タヤスアゲイン

1998年の青葉賞を勝ったタヤスアゲインが先月7日に亡くなっていたことが、ここへきて発表になった。だが、亡くなってから1か月以上経ってからの発表は感心できない。仮にも功労馬繋養支援事業の対象馬である。しかし今は亡くなった名馬に思いを馳せよう。31歳なら大往生である。

1997年 芙蓉S タヤスアゲイン 吉田豊

スプリンターズS当日の中山9R。2歳オープンの芙蓉Sの発走を前に、筆者はたまたまタヤスアゲインのことを思い出していた。今を遡ること29年前の優勝馬である。スペシャルウィークと同期のサンデーサイレンス産駒で、新潟で新馬を勝つと、ダリア賞、芙蓉S、いちょうSと怒涛のオープン3連勝を果たした。この時点で、彼は間違いなく世代のトップに立っていたのである。

2歳10月の時点で4勝と聞けば早熟のスピード馬の印象を抱きがちだが、タヤスアゲインは翌春の青葉賞も勝ってみせた。ダービーではセイウンスカイの背後に付けて果敢に先行したが、スペシャルウィークの破壊的な脚の前に為す術が無かった。それでも8着なら頑張ったと言えよう。

1998年 青葉賞 タヤスアゲイン 柴田善臣

母系を遡って6代目に登場するのが英月。現役時はテツバンザイという競走名で活躍し、第4代のオークス馬となったばかりか、日本ダービーにも出走してセントライトの4着に入っている。繁殖入りしてからは、クリペロ、クリヒデ、カツアール、ダイタクヤマト、ニシノライデン、クリロータリー、サニーライト、オギティファニー、アラシ、ローズムーン、ロシアンブルー、ローブモンタント、マロングラッセ、ローレルゲレイロ、ディープボンドという、今なお存在感を保ちつづける壮大なファミリーラインの起点となった。

そんな母系の良さとを活かして種牡馬になれれば良かった。なにせ泣く子も黙るサンデーサイレンス直子である。しかし競馬はそんなに甘くはない。引退後は「名馬のふるさとステーション」に引き取られた。当時はまだ珍しかった養老牧場。ほかにもラガーレグルスやシャコーテスコ、フレッシュボイスといった面々が暮らしていたと記憶するが、経営上のトラブルにより繋養馬たちは移動を余儀なくされた。

タヤスアゲイン (名馬のふるさとステーション 2001年撮影)

タヤスアゲインはいくつかの乗馬クラブや牧場などを経て、2019年から西川富岡牧場分場で過ごしていた。数奇な運命ではある。とはいえ、多くの人に愛された馬生であったことは間違いない。

9月の時点で、平地重賞ウイナーの最高齢馬はエアガッツ(9月17日に死亡)、シャコーテスコ。メジロドーベル、マコトライデン、ポートブライアンズと続いて、タヤスアゲインは6番目だった。経営トラブルは決して褒められたことではないのだけど、30歳を超えてなお生き永らえた彼の馬生に「名馬のふるさとステーション」が一定程度の役割を果たした事実は動かしようがない。それを心に留めつつ、「最強世代」の一翼を担った名馬の冥福を祈ろう。

 

***** 2026/10/27 *****

 

3歳10月大井デビュー

開催初日の大井競馬場はあいにくの雨。

ゴールドレジーナ

初日の1Rと2Rは最下級条件戦と相場が決まっている。1Rは3歳五・六組のマイル戦。1番人気ゴールドレジーナは、4か月半前のデビュー戦で3着の実績が買われたのだろう。しかし、そのときは1200m戦だった。血統的に距離が壁になるとは思えぬが、キレやすいところがある牝系である。そんな不安はレースで現実のもとなった。3コーナーで外に膨らんで、ノーブルフォルテの走行を妨害した上に自身はしんがり負け。最下級条件とはいえ、勝つということは簡単ではない。

ゴールドレジーナを応援していた筆者はひとしきり落ち込んだ。気分を変えようと「Gフロント」スタンドに足を運んでみる。「つるまるうどん」の跡地にできたお店をチェックしなければならない。なにせTCKの公式ホームページは、IDCフロンティアのクラウドサービスがサイバー攻撃を受けた影響で今も閉鎖中。どんな飲食店がオープンしたのかを確認する術が無かった。雨が降りしきる中、わざわざやって来たのだから、どうか良い店であってくれ。

オープンしていたのは「砂右衛門酒場」という一軒。大井ではお馴染みの「スター・ライト」の手に掛かる一店らしい。「酒場」を謳ってはいるもののイチオシはカレーうどんとある。しかしそれより「いかばら天うどん」が気になった。客は私ひとり。それでも出てくるまで5分以上待つ。ならば、うどんは注文を受けてから茹でるコシ満載の麺だろうか?  と思いきや、とてつもなくヤワフニャでこっちがコシを抜かした。時間が掛かったのは、単にオペレーションが不慣れだったからであろう。つるまるうどんの豊かなコシが懐かしい。今後の大井では食事に苦労しそうだ。

落ち込みを重ねて迎えた2Rは先ほどと同じクラス。ただし1200m戦。1番人気アルガルヴェは今日がデビュー戦だが、単勝1.6倍の圧倒的支持を集めている。それもそのはず、母がロカということは、今週の天皇賞・秋に挑むレガレイラの妹ではないか。そんな良血が、なぜ3歳10月も押し詰まったこの時季に、よりによって大井でデビュー戦を迎えるのか。

もともとは姉と同じ美浦・木村哲也厩舎からデビュー予定だった。実際、昨年5月の時点でゲート試験にも合格している。しかし、その2か月後に右後肢の骨折が判明。手術は成功したが、その後も脚部不安を繰り返す日々。そうこうするうちJRAの3歳未勝利戦も終わり、やむなく大井でのデビューを選択したという。とはいえ、それは誰もが認める素質の高さの裏返し。実際、今日のデビュー戦も後続を3秒も千切り捨てる大差圧勝だった。

2026年10月26日 大井2R アルガルヴェ F・ゴンサルベス

アルガルヴェの募集価格は6000万円。そんな高馬が1着賞金140万円のレースを勝ったところで、喜ばぬ出資者もいるかもしれない。馬代を回収するだけでも、とてつもないほど長い道のりが待っているように思える。しかし小さいとはいえ、一歩目を踏み出した意義は決して小さくなかろう。少しずつでも前に進んでいかなければ、掴めたはずの幸運さえも掴み損ねてしまいかねない。

帰宅して、何気なくTCK公式サイトを開いたら、思いがけず見慣れた画面が表示されて驚いた。どうやらつい先ほど復旧したばかりらしい。関係者の苦労はいかばかりだったか。被害を受けた直後には、「何から手を付けてよいか分からない」といった弱音も聞こえたが、それでもわずかな光明を頼りにこうして復旧できた。ただ落ち込んでいても始まらないということ。なんであれ一喜一憂せず、一歩ずつ進むしかない。

 

***** 2026/10/26 *****

 

まさかのランサム被害

先週あたりからこのブログへのアクセス数が激増している。何があったかは知らないが、百が千になれば何かあったと考えるのが普通であろう。とはいえ書いているのは、くだらない話ばかり。ヒトの目を引くような記事を書くようになった覚えもない。

それで思った。ひょっとしたら、昨今巷を騒がせるサイバー攻撃なのではあるまいか。すなわちアクセスしているのはモノ好きの競馬ファンではなく、不正アクセス目的のAIかもしれない。うどんとハズレ馬券ばかりの内容に、AIもガッカリしたのではあるまいか。

こんな個人ブログに対し、まさかそんなこともあるまいが、それでも疑いたくなる昨今である。筆者の身近な人も被害に遭った。勤め先のシステムがランサムウェアにやられたという。ランサムウェアとは、コンピューターの内部データを暗号化してしまい、復旧と引き換えに身代金を要求するサイバー攻撃の総称。それは知っているが、それでも「それはレッドランサム産駒なのかな?」と思ってしまうからいけない。ちなみに Ransom とは身代金のこと。馬名の「レッドランサム」は、O.ヘンリーの短編「酋長の赤い身代金」から名付けられた。日本における産駒の稼ぎ頭はオセアニアボス。もちろん稼いだのは賞金であって、身代金ではない。

2011年 朱鷺S オセアニアボス 石橋脩

一連のサイバー攻撃のニュースにも登場する「カスペルスキー」は、もちろん世界的なITセキュリティ会社なのだけれども、もうこうなるとニジンスキー産駒にしか聞こえなくなってくる。いや、マルゼンスキー産駒かもしれない。いやいや、ひょっとしたらホリスキー産駒の可能性だってある。

  なんて不謹慎なことを書いていたらお叱りを受けるだろうか。だが、私はどうしてもこのテの世間の喧騒に乗り切れないところがある。もちろんパソコンは持っているが、撮り溜めた写真データの保存と、このブログを更新するのに使う程度。ネットショッピングにも、ネットバンキングにも、IPATにさえも興味はない。むろん写真データは外部メディアにバックアップを取ってあるし、OSやセキュリティソフトのアップデートにも、人並みには注意を払っている。データが暗号化されたところで、ただちにパソコンを初期化するか、買い替えるだけだ。

「そこまでパソコンと仲良しになる必要はない」

きっと私は心の奥底でそう考えているのであろう。スマホについても同じ。新しい便利は、それと等量の不便を必ずもたらす。人間活動も自然の一部なのだから、熱力学の第二法則が容赦なく成り立つ。

そんな大袈裟なことを思いつつ、私はさほど仲良くないパソコンを駆使して、今日の出走馬の血統表を眺めていた。するとその中に、祖母の父が Red Ransom という血統の持ち主がいるではないか。それが今日の京都8R壬生特別に出走したマーゴットミスト。祖母タイキシフォンがタイキシャトルの半弟と知って思わず単・複・馬連総流しを仕掛けてしまった。しかし、2番人気の支持を集めながら結果は11着大敗。嗚呼、これも「ランサム被害」と言えないだろうか。

 

***** 2026/10/25 *****

 

外枠有利の日

秋の4回東京開催は早くも8日目を迎えた。8日目ということは、ひと昔前なら天皇賞・秋の開催日。ならば芝の傷みが進んでいてもおかしくない。それでも今週まではAコースが使われる。しかも今日は朝から雨が降り続いて馬場状態は「稍重」。内ラチ沿いは、もっと悪いのではあるまいか。そもそも9月の長雨の影響で、開催前から芝の状態は不安視されていた。その不安は現実のものになっている。とくに内側は例年に比べて傷みが激しい。

3R芝1600m、5R芝1600mと、芝のレースは枠連7-8の結着が相次いだ。やはり外枠有利の感は否めない。続く芝のレースは8Rの1勝クラス。東京の芝2000mと聞けば、誰もが内枠有利を唱えるに違いない。しかし勝ったのは大外⑬番コスモアチーブだった。2着が7枠⑪番マテンロウオリジン。これで芝に限れば3鞍連続の枠連7-8結着である。

2026年10月24日 東京8R コスモアチーブ 坂井瑠星

続く9R精進湖特別も芝の一戦。昨年から1400mに距離が短縮された。今年は最後方から大外を豪快に伸びた2頭のワンツーフィニッシュ。勝ったレオアジャイルは、1年前にデビュー戦を圧勝した同じ舞台で会心の勝利を果たしたことになる。なんとこれで芝は4鞍連続して枠連7-8の結着。外枠有利は、もはや疑う余地がない。

2026年 精進湖特別 レオアジャイル 大野拓弥

メインのアルテミスSは1番人気のプルヴィナルがスタートで痛恨の出負け。雨で人もまばらなスタンドから、それでも大きなどよめきが上がった。しかしルメール騎手は慌てない。スローペースだったこともあり、3コーナー手前から持ったまま外目を捲って直線入口では早くも2番手。難なく逃げ馬を交わすと、馬場の悪い内ラチ沿いを伸びてそのまま押し切った。ルメール騎手は、2023年チェルヴィニア、24年ブラウンラチェットに続きアルテミスS3勝目。昨年は騎乗馬が無かったから実質的に3連勝となる。これは凄い。

2026年 アルテミスS プルヴィナル C・ルメール

プルヴィナルの母クルミナルは、2012年の桜花賞2着のあと、オークス3着で引退を余儀なくされた。半姉ククナは重賞2着が4回を数えたものの、やはりタイトルには手が届いていない。半兄アライバルも重賞では2度の2着が最高着順だった。そんな一族の雪辱をプルヴィナルはついに果たしたことになる。しかも東京芝マイルで捲り勝ちはなかなかできる芸当ではない。重賞の壁どころか、GⅠの壁も超えてしまう可能性も秘めている。

10番人気の大外⑬番ローズサルーテが豪快に追い込んで馬券は波乱になった。外枠有利の馬場状態も手伝ったかもしれないが、腹を決めて直線勝負に打って出た小林美駒騎手は見事。それに比べて、いいトシした大人の馬券が400円とは我ながら情けない。外枠有利を「疑う余地がない」とか言っておきながら、それを疑っていたのは私自身だった。

 

***** 2026/10/24 *****