関東転厩

3年近くに及んだ大阪暮らしに別れを告げて神奈川の自宅に戻ってきた。

3年も過ごしていればすっかり関西風味になっているかと思いきや、エラいモンでまったくそのようなことはない。そりゃあ半世紀もこちらで生きてきたんだから3年程度で変わったりはしませんな。長い夢を見ていたと言われたら、信じてしまいそうな気がする。

久しぶりに会う人からは「変わりませんね」と言われる。これは社交辞令であると同時に、それだけトシを取ったことの現れであろう。

実際、そういう相手の風貌は変っていたりするから驚くこともなくはない。3年前は黒々としていた頭髪が、ちょっと会わない間に真っ白になっていたりする。エイシンヒカリか!と突っ込んでみたくなるが、競馬を知らぬ相手なので控えた。仮に競馬を知る相手なら気を悪くする可能性だってある。ここは関西ではない。あらためて自らに言い聞かせる。

私の場合は出戻りだからまだ良い。生まれも育ちも大阪というような根っからの関西人の方が東京で暮らすことの苦労は、我々関東人の想像を超えるのではあるまいか。それすらも気にしないノリの良さを発揮できれば良いが、そういう人ばかりでもあるまい。

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栗東・須貝厩舎所属のドルチェモアが、美浦・上原佑紀厩舎に転厩するというニュースを見てあらためてそう思った。昨年の2歳チャンピオンは長いスランプに苦しんでいる。おそらく心機一転という意図があるのだろうが、それが逆効果になることも―――人間なら―――なくはない。その気持ちが分かるだけに、ドルチェモアの復活を期待せずにはいられないのである。

そんなわけで、様子を見ながらではありますが通常更新に戻します。関東からお届けする「競馬茶論」を今後ともよろしくお願いします。

 

 

***** 2023/11/1 *****