古き良き天皇賞馬

リオンディーズ産駒のテーオーロイヤルが春の天皇賞を制した。鞍上の菱田裕二騎手は、デビュー13年目にしてこれが初めてのGⅠ制覇。その割に落ち着きはらった手綱さばきだった。2周目の4コーナーで3番手に進出した時点で勝負あり。プレッシャーよりも自信の方が上回っていたのだろう。

2022年 ダイヤモンドS テーオーロイヤル 菱田裕二

これで通算18戦8勝。3000m以上で(4.1.1.0)の成績はいかにもステイヤーらしい。そんなテーオーロイヤルだが菊花賞は抽選除外の憂き目を見ている。競馬に「れば」「たら」は禁句とされるが、もしテーオーロイヤルの抽選結果が異なって、晴れて菊花賞に出走していたら果たしてどうなっていたか。タイトルホルダーのストーリーが書き換わっていた可能性もゼロではあるまい。

トップホースほどレースを絞って使われるのが普通の昨今である。2020年のフィエールマンのように、年明け緒戦、休み明けの春天をいきなり勝ってしまうケースも珍しいものではもはやない。

そんな潮流の中にあって、年明け3戦目での春天制覇は久しぶりだ。2015年のゴールドシップがAJCC7着~阪神大賞典1着をステップに勝って以来のこと。それも3連勝での盾制覇となると1999年のスペシャルウィークまで遡らなければならない。苦労人、苦労馬のイメージも重ね合わせて、古き良き天皇賞馬の香りが漂う。

ブローザホーンが4角12番手から直線だけで追い込んで2着に入った。おかげでディープボンド流しの筆者の馬券は外れたが、あの脚を使われては仕方ない。こちらはエピファネイアの産駒。サートゥルナーリア産駒が競馬場に登場する日も近い。馬券が外れてシーザリオの偉大さを痛感する一日だった。

 

***** 2024/4/28 *****