洗濯機を手に入れろ

年賀はがきのお年玉当選番号は、ここ数年ずっと京成杯の日曜日に発表されてきたのだが、先週はそれがなかった。ならばAJCCの当日か。そう思って油断していたら、なんと船橋のブルーバードカップ当日に発表があったらしい。レースはともかく平日に発表があるとは思わなかった。急いで照合作業に取り掛からねば。

実は昨年暮れあたりから洗濯機の調子が良くない。大量の衣類を投入しているわけでもないのに、3回に1回は「ぴー」というアラーム音とともにドラムが停止してしまう。原因は不明。再度スタートボタンを押すと、何事もなかったように素知らぬ顔をして洗濯を続けやがる。

もう買い換えなければならぬのだろう。しかしそれには先立つものが必要。それを案じていたら、なんと今年のお年玉月年賀はがきの1等が現金30万円だと聞かされた。1等が当たれば最新型のドラム型洗濯機が買えるではないか!

しかし我が家に届いた年賀状は50枚ほど。出すことを辞めたのだから届くのが減るのも仕方ない。むろん照合結果は惨敗。100分の3の確率で当たる切手シートが1枚のみということは、確率的にはむしろ「負け」であろう。

貴重な切手シートをもたらしてくれた年賀状の差出人を見れば、かつて世話になった船橋の調教師であった。今年は東に足を向けて眠れぬ。たった1枚の切手シートとはいえ、案外そういうところは義理堅いのである。

そうは言っても私は切手コレクターではない。もともと収拾癖というものを持ち合わせぬタチなので、こういう記念切手の類も何の躊躇いもなく使用することにしている。

切手に限らず、本、雑誌、レーシングプログラム、馬券、騎手のサイン、それからテレホンカードやクオカードの類などについても、進んで集めていることはしていない。クオカに関しては配る機会より頂く機会の方が圧倒的多いが、もらったカードは常に携行して使用機会をうかがっている。

ちなみに、いま財布を調べたらマチカネフクキタル菊花賞のテレカが入っていた。28年前の代物である。念のために書いておくが「クオカ」の誤記ではない。今世紀中に使い切るのは絶望的。コレクターに売ってしまった方が早い気がするが、洗濯機を買える金額で売れることはあるまい。

「デブで眼鏡」という外見のせいであろう。周囲からは熱心なコレクターだと思われがちだが、実はまるでモノに執着がないのである。「何事にもコダワリがない」と言った方が近いかもしれない。

デットーリが7戦全勝を果たした日のアスコット競馬場のレープロ」とか「フジヤマケンザン香港カップを勝った翌日の現地の新聞」みたいな、縁のある記念品はちゃんと取っておいてある……はず。実際どこに保管してあるのか、判然としない。そういったものを展示保管する「コレクション・ルーム」があるような大きいお家を建てた暁には、いろんなものを集めてみたいものだけど、新しい洗濯機をお年玉付き年賀はがきに期待しているような身では、どだい無理な話であろう。

 

***** 2024/1/20 *****