女子野球を盛り上げよう

今日は侍ジャパン女子代表候補とジャイアンツ女子チームとの練習試合。実は昨日もここ府中市民球場で女子野球ヴィーナスリーグの試合が行われた。私も二日連続の観戦である。

女子だからと言って侮ってはいけない。侍ジャパン(男子)が世界ランク1位であることは広く知れ渡っているだろうが、女子の侍ジャパンも世界1位を堅守。ピッチャーの球速や打者のパワーは男子には及ばないが、思わず唸らされるプレーが随所にある。入場無料のおかげでお客さんも存外多い。ジャイアンツ女子チームを率いる監督は、あの宮本和知さん。試合前後にはファンサービスを欠かさない。

しかしながら女子野球の運営はたいへんだ。試合会場が府中なのは近い方。秦野や袖ヶ浦、加須や伊勢崎にも行かなければならない。グラウンド整備も自分たちの手で行う。そもそも彼女らはプロではない。普段は学業や仕事をしながら、遠方での練習や試合に出場。その姿勢には頭が下がる。

野球を観終えて競馬場まで約20分の道を歩きながら考えた。どんなスポーツであれ、男女がともに楽しめるようでなければそのも未来は危うい。「女は観てるだけでいい」。そんな考えは遥か時代遅れになっている。その事実に気付けば、我が国でもっとも安泰と思われがちな野球が置かれている状況に危機感を抱くのは自然のこと。だから宮本さんも選手と一緒に頑張っている。ちなみに侍ジャパン女子チームのヘッドコーチは阪神タイガース伝説のキャッチャー・木戸克彦さんだ。木戸さんは阪神タイガース女子チームの監督も務められている。

野球以外はどうか。東京五輪ではIOCの方針もあって「男女混合」を謡う種目が増えた。しかし、それらのほとんどは団体やダブルスを混合にしたもの。厳密な意味で男女分け隔てのない競技を目指すのなら、男女がガチンコで勝負するのが理想であろう。だが、今のところ馬術以外でそれを実現するのは難しい。東京五輪2020では総合馬術馬場馬術の2種目で女性選手が男性選手を破って金メダルを獲得した。馬術競技は男女の区別がない唯一の競技として長い歴史を誇る。

競馬のジョッキーは男女が同じ舞台で対決する。斤量面の優遇措置は構成人数の男女比を考えれば致し方あるまい。マリー・ヴェロン騎手やレイチェル・キング騎手のようなワールドクラスの女性ジョッキーの来日機会がもっとあればと思う。

馬に対しては牝馬限定戦が用意されているが、ファンの熱狂ぶりは牡馬混合戦とさして変わらない。むしろそこにある歴史や体系を大事にしている気さえする。もとより競馬には血統の要素が欠かせない。そこで重要な役割を果たすのは男より女である。深く競馬にコミットすれば、自然とそのことに気づくはず。だから牝馬限定というレースをことさら大事にするのかもしれない。今日のフローラSの盛り上がりもすごかった。



 

***** 2024/4/21 *****