新緑の日

東京開催初日の9レースは新緑賞。3歳500万条件。芝2300mという舞台設定から、古くはサニースワローリアルバースデーが、近年でもハギノハイブリッドがここを勝ってダービーの舞台へと向かっていった。

2012年 新緑賞 カポーティスター 田辺裕信

しかし私が注目するのはそこではない。2010年ブレイクアセオリー、12年カポーティスター、14年ハギノハイブリッド。22年キャルレイがいずれも6枠緑帽で勝っているのである。ほかにも13年、16年、20年、23年で6枠が2着。14年間で8連対となれば無視はできまい。そこは「新緑賞」たる所以か。そこで6枠総流しの馬券を買ってみた。

最近はすっかりマイナーな存在になった枠連だが、競馬初心者が買いやすい馬券として、今も独特の存在感を漂わせている。レース観戦において、初心者が真っ先に戸惑うのが、自分の買った馬を見失ってしまうこと。勝負服で判断ができるようになるまでは時間がかかるだろうし、密集した馬群の中で、ゼッケン番号を視認するのは実況アナウンサーでも難しい。

だから枠連。自分が買った馬は、騎手の帽子の色で判別がつくから、レースが追いやすい。しかも代用的中というオマケも期待できる。

「枠番」というシステムのない欧米では、勝負服と同じように、馬主に帽子の色を決める権利がある。我が国でも、かつては枠とは無関係に馬主独自の色を用いていた。

帽色が採用されたのは、戦後の4枠制から5枠制を経て6枠制に移行した1957年のこと。この時の色は、1枠から白、赤、青、緑、黄、水だった。配色の根拠となったのは、「一白・二黒・三碧・四緑・五黄・六白・七赤・八白・九紫」の「九星」とされる。さらに1963年の8枠制移行に伴い、7枠の茶、8枠の黒が追加されたが、「茶色は見にくい」という大井のファンの声がきっかけとなり、色相学の専門家などの意見を基に現行の配色に落ち着いたという。オレンジとピンクという蛍光色は確かに見やすく、結果それを中央競馬がマネる形となった。

さて、緑帽が良績を残す新緑賞を勝ったのは7枠橙帽のリアレスト。しかし2着に6枠エランが突っ込んで私の馬券は見事的中した。しかしその配当は900円。100円総流しで900円の配当ということは、トータル100円の儲けですね。まあ、私らしい。

それにしても今日の東京は緑帽が大活躍。4勝2着2回。全レースの半分にあたる6つのレースで6枠が連に絡んだ。「みどりの日」にまだは早いが、新緑が美しい季節ではある。それで福島牝馬Sはシンリョクカを応援したら、あのようなことになった。心の中で区切りを付けたことを思い出さずにはいられない。競馬の神様は我々を試そうとしているのだろうか。

 

***** 2024/4/20 *****