赤い麺を食え

沖縄の食堂は朝から開けている店が少なくない。アンマー(お母さん)が厨房に立っているような普通の食堂が24時間営業だったりして驚くことも。ホテル近くの「三笠」はそんな一軒。朝から地元民と観光客で賑わっていた。

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ポーク玉子を注文する。もともと沖縄を代表する家庭料理だが、ポークランチョンミート&玉子焼きコンビの活躍ぶりは、いまや全国区であろう。沖縄県外では「スパム」の印象が強いが、沖縄では様々なメーカーのポークランチョンミート缶詰が売られている。せっかく沖縄に来たのだから「スパム」以外とのマリアージュを味わいたい。こちらでは薄焼きの玉子焼きに、カリカリに焼かれた半円形のポークが2枚。そしてマカロニサラダと生野菜か添えられている。味噌汁とタクアン、そして漫画みたいな盛りのご飯がついて700円。安い。

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昼も食堂。国道58号沿いにある地元で人気の食堂「みかど」へ。こちらも以前は24時間営業だったがコロナ禍で現在は10時〜21時に絞っているらしい。厨房にベテランのアンマーが大勢いるのは先ほどの「三笠」と同じ。ウチナー言葉でわーわー会話しながらフライパンを振っている。

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焼きうどんを注文したらスパゲティナポリタンが出てきた。あれれ? お店が注文を間違えたのだろうか?

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しかし、よく見るとこれはナポリタンではない。焼きそばをケチャップで味付けすることは珍しくない沖縄では、焼きうどんもケチャップ味で仕上げるのである。キャベツ、玉ねぎ、もやし、ポークをうどん一緒に炒めて、仕上げにケチャップをババーっと投入して一気になじませる。う~む、やはりナポリタンですな。

ちなみに沖縄では「焼きそば」にも沖縄そばの麺が使われる。ケチャップをまとっていながら、それでもどこかサッパリした美味しさを感じるからには、沖縄そばと同じく昆布と豚のダシが隠し味に使われているのかもしれない。

ソースではなくケチャップを使うのは、戦後に持ち込まれたの米国文化の影響だという。そうと聞けば、多少複雑な思いにかられなくもないが、ポーク玉子には何よりケチャップが合うことは特記しておきたい。

むかし、JRAにオムライスという馬がいた。キンググローリアス産駒の牝馬。その母は船橋で3勝を挙げたトマトケチャップである。

 

 

***** 2023/11/12 *****