百年目の早明戦

国立競技場にやって来ている。今日はラグビー早明戦大学ラグビーを観るのは34年ぶりだ。当時の早稲田の主将は清宮克幸さんだった。日ハム・清宮幸太郎選手のお父さんと書けば分かりやすいだろうか。

Kokuritsu

昨日の時点で既に帝京の3連覇は決まっている。ならば今日のスタンドはガラガラだろう。そうタカを括って出かけたのだが、満員とは言わないまでも、思ったよりお客さんは入っていた。さすが伝統の一戦は違う。声援のボルテージは競馬場とさほど変わらない。

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入口で配られた「明大スポーツ」紙によれば、今年は早明戦が始まって100周年の節目だそうだ。明大ラグビー部は1923年の創部とある。1923年と言えばファロス (Pharos) が英国のダービーで2着に敗れた年。ファロスというのはチャンピオンステークスなどを勝った名馬だが、大種牡馬ネアルコのお父さんと書けば分かりやすいだろうか。イクイノックスで言えば9代父にあたる。いずれにせよ100年の歴史はとてつもない。

 

試合は明治が前半だけで4トライを奪い27-3で折り返す一方的な展開。遠く離れた早稲田陣内でのプレーが続いて良く観えない。仕方なく先ほどの「明大スポーツ」を広げて見た。言ってもスポーツ紙である。ひとつくらい競馬の記事はないか。

 

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さすがに競馬はないが、馬術競技の記事はあった。三木ホースランドパークで行われた全日本学生馬術大会で明治大学総合馬術で3位になったとある。明治大学馬術部の創設は1920年だからラグビー部より歴史が深い。JRAの調教師も輩出している。それで、ふと思いついた。

今日のチャンピオンズカップでは、明大出身の調教師を狙ってみようか―――。

慌ててスマホで調べると、なんと2人の明大OB調教師がチャンピオンズCに管理馬を送り込んでいるではないか。テーオーケインズの高柳大輔師とドゥラエレーデの池添学師。その2頭が仲良く3枠に並んで入っている。こんな奇跡はあるまい。慌ててネット投票で2頭の単複と3枠総流しの馬券を仕込んだ。

試合も後半。しかし私はスマホのレース実況に見入った。すると直線で後続を突き放すレモンポップに、赤い帽子の2頭が猛然と迫ってきた!

「よし! 行けーっ!」

国立競技場に足を踏み入れてからずっと黙っていた私も、ようやく声を張り上げた。周囲は驚いたに違いない。ボールが動いているときならまだしも、ラインアウトの準備をしているタイミングである。しかし私の声援もむなしく明大2頭は3着と4着に敗れた。

それでも人気薄のドゥラエレーデが3着に来てくれたのはありがたい。複勝890円なら悪くなかろう。しかし枠連が外れては大儲けには至らぬ。トライに成功したもののゴールキックに失敗したような気分か。

私が競馬に熱中している間に、フィールドでは早稲田の猛反撃が続いていたようだ。残り15分で5トライは凄い。異次元の脚で追い込んだウィルソンテソーロの姿にもダブる。しかし、それでも明大は抜かせなかった。それが王者の試合運び。こちらはレモンポップだった。

 

 

***** 2023/12/3 *****