水曜の夜なのに

都内での仕事が早目に終わり、ならば大井で重賞を観ようと張り切って専門紙を買ったら、一面トップに勝島王冠の馬柱がない。ぺらぺら頁をめくってようやく見つけた馬柱には「前日発売」とある。あれ? 今日はまだ火曜日だったか?

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トシのせいか最近ボケがひどい。こないだも当たり馬券をうっかりごみ箱に捨てて肝を冷やした。幕張メッセに向かったつもりが、ふと気づいたら東京ビッグサイトの前に立っていたこともある。日にちを間違えるのは認知症の第一歩。ついに私にも来るべきときが来たのようだ。

ところが、手元の専門紙の日付は「12月6日水曜日」と明記されている。つまりボケたのは大井競馬場の方だった。開催日の間違いとなれば前代未聞。電気系統の不具合でまる一日開催を飛ばしたり、同一開催で同じ馬を重複投票させたり(川崎)、11頭立てなのに5枠から2頭ずつにして8枠が1頭だけになる(船橋)ような失態とは比べものになるまい。

―――なんてコトはもちろんなくて、今開催の重賞はもともと明日7日木曜日に実施されるだけの話。そうは言いつつ解せぬこともある。先週の船橋も、先々週の浦和でも木曜日に重賞が行われた。さらに来週の川崎も、再来週の浦和でも木曜日に重賞が行われることになっている。よもや、私が大阪に行ってる間に南関東の慣習が変わったのではあるまいな。

南関東の重賞は水曜日」。そんな曜日感覚が南関ファンや関係者に浸透して久しい。

2000年頃までの南関東の重賞レース開催日は、月曜もあれば金曜もあれば日曜もあると言った感じで、バラバラだった。実は今も重賞は水曜に行うといったルールや申し合せがあるわけではない。ただ、もっとも馬券の売れ行きが良いのが水曜日であることは経験上分かっていた。それでなんとなく「水曜でどうでしょう」という具合に、水曜日に収斂したように思う。だからそれが木曜にズレたところで文句を言える筋合いではないが、あいにく明日の夜は仕事が入っている。帰京後初の南関重賞観戦が遠い。

ともあれ、ほかに行くところもないので東京スカイツリーに行ってみた。ここのソラマチ6階に四国の老舗「うどん本陣・山田家」が入っていたはず。HTBの番組「水曜どうでしょう」のファンの方ならご存知であろう。四国霊場八十八ヶ所巡りなどの企画の中で、大泉洋さんや番組スタッフらが企画そっちのけで必ず訪れた人気店だ。

ところが、そのお店をソラマチに見つけることができない。あれ? どこだ? そもそもソラマチにその店があったのかすら記憶が怪しくなってきた。やはり認知症なのかもしれぬ。

途方に暮れる私をグーグル先生が救ってくれた。目当てのお店は3年前にソラマチから撤退したのだという。良かった、認知症じゃなかった―――と喜んでいる場合ではない。重賞も観れず、うどんも食べられなかったのは事実。いったい私は何をやっているのか。東京に戻って1か月が過ぎたというのに、まだ手探りの日々が続いている。やはり3年のブランクは長い。

 

 

***** 2023/12/6 *****