中山 vs 東京

阪神ではジュヴェナイルフィリーズ、中山ではカペラS。さらに中京開催に加え、香港のGⅠ4鞍が馬券発売される忙しい日曜日に出かけた先は、中山ではなく、阪神でもなく、ましてや香港でもなくて青山だった。

Chichibu

ここは秩父宮ラグビー場。ここでラグビーのリーグワン初戦となるクボタスピアーズ船橋・東京ベイと東京サントリーサンゴリアスの一戦を観るのである。先週の早明戦に続いて2週連続のラグビー観戦。すっかりラグビーにハマってしまった―――というワケではなくて、これも仕事。とはいえラグビーは嫌いではない。そのあたりの微妙な感情が顔に出ているのだろう。仕方ないなーとか言いながら家を出ようとする私に向けられた家人の視線がいたく厳しい。どうせ仕事のフリして中山に行くのだろう―――そう疑っている顔だ。

なので、誤解を受けないようにとなるべくゆっくり家を出た。14時に家を出れば秩父宮14時半のキックオフには間に合うが、中山15時20分の発走には間に合わない。家人もその辺は分かっているから、13時を過ぎたあたりから「まだ行かなくて大丈夫か?」と何度も聞いてくる。これで印象付けは十分。あとはラグビーグッズを持ち帰れば問題なかろう。というか、私は本当にラグビー場に行くのに、なんでこんなに気を遣わなければならんのか。しかし非は過去の私の行状にあるので、文句は言えない。

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サンゴリアスのホームは府中市。「右に見える競馬場。左はビール工場」でお馴染みのサントリービール工場の近くに練習場がある。一方、スピアーズの本拠地は船橋。つまりこの試合は武蔵野線対決であると同時に、中山競馬場東京競馬場の対決と言っても過言ではない。いや、過言か。

実際、競馬場として中山と東京は一定のライバル関係にある。売上や入場人員で東京の後塵を拝する中山は、独自の取り組みで集客や集馬の努力を積み重ねてきた。優勝馬のオーナーにオリジナルの大きなウマのぬいぐるみを提供したり、この秋からは「ウィナーズレディ」がレースを盛り上げるためにパドックで一役買っている。

中山にもダービーに負けない大レースを―――。

有馬記念は、そんな有馬頼寧氏(中央競馬会初代理事長)の発案で1956年に始まった。初回は「中山グランプリ」という名称だったのが、有馬氏の急逝によって翌年から「有馬記念」と改称されたというエピソードはあまりに有名。いずれにせよファン投票の導入も中山活性策のひとつだった。そんな様々な努力が実を結び、東京には及ばないにせよ、中山競馬場の売上は全10場の中で2位を保っている。

今日夕方、有馬記念の特別登録が締め切られた。「GⅠ馬9頭」は豪華には違いないが、過去になかったわけでもない。むしろ注目は3世代のダービー馬揃い踏みであろう。実現すればジャパンカップ以外では初めてのことになる。ダービー馬3頭の直接対決となれば、ある意味「ダービーに負けないレース」に違いない。今年もいよいよ大詰めが近づいた。

 

 

***** 2023/12/10 *****