ハマスタの因縁

横浜ベイスターズの本拠地、横浜スタジアムを訪れた。フィールドを一般に開放するイベント「ボールパークファンタジア」が開催中なのだが、その一環として行われているバックヤードツアーに参加するのである。ツアーの幕開けはスタジアムの最高点にある米ディスカバリーデッキの見学から。31mの高さから見下ろすダイヤモンドは壮観と言えば壮観だが、あまりに高くてちと怖い。早く次行きましょう。

Hamasuta

ハマの番長」ことベイスターズ三浦大輔監督は馬主としても知られる。佐々木主浩氏のように現役引退後に馬主となるスポーツ選手はいたものの、現役プロ野球選手でありながらJRA馬主として競走馬を所有したのは三浦投手が初めてだった。それに続くのが、今日、契約更改が報じられたホークスの「ギータ」こと柳田悠岐選手。最多安打のタイトルを獲得しながら5000万円の減俸には驚かされた。そのぶんを馬が稼いでくれることを期待しよう。

Brupen

三浦監督がこれまで所有した馬は、6勝を挙げたリーゼントロックを筆頭に11頭。うち7頭までが矢作厩舎の所属である。もともと競馬が好きだった三浦監督は、とあるスポーツ紙の記者の紹介で矢作調教師と知り合った。そこで馬券がなかなか当たらないという話題を持ち出したところ、「それなら馬を持てばいい」と、矢作師から馬主になることを勧められたという。

現役時代の2005年に最多奪三振最優秀防御率の2冠を獲得した三浦監督は、2010年には2度の二軍落ちを経験するなど大スランプに陥った。この年わずか3勝。当時37歳という年齢からすれば「限界説」が流れたのも無理はない。馬主資格を取得したのは、そんな苦しいシーズンの終了直後のことだった。

翌年、初めて所有したリーゼントブルースが2歳でデビュー。この年は勝ち星を挙げることができなかったものの、3歳になった翌年には念願の初勝利を挙げた。さらにその翌年はリーゼントロックと合わせて所有馬が3勝を挙げる大活躍を見せる。すると三浦投手も5勝、9勝、9勝と、かつての輝きを取り戻し始めた。愛馬の活躍に刺激を受けての復活劇―――。競馬も野球も愛する外野としては、そう思うことにしたい。ひとつ勝つことの難しさは投手も競馬も同じだ。

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3塁側の選手ロッカーにこんな張り紙を見つけた。

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目玉チャーハンはスタンド売店でも発売されているハマスタ名物。ビジターの選手にも評判なんだそうだ。かつてハマスタのバックスクリーンを破壊する150m弾を放った柳田選手も食べているかもしれない。そういえばあのホームランを浴びたのは現役当時の三浦監督だった。投手と打者として二人が対戦することはもうあるまいが、JRAの競馬場で2人の対決が見られる日もそう遠くないかもしれない。今度は三浦監督がやり返す番だ。

 

 

***** 2023/12/11 *****