小籠包は美味しい

先週金曜のこと。麗かな陽気と娘に誘われてナイター開催の大井へと足を運んでみた。この日は入場無料デー。しかし重賞のない平場開催。4コーナーの桜も散り桜。しかも船橋とのダブルナイターとあっては客が少ないのも仕方あるまい。あとで調べたら入場者は2900人だった。これでは飲食店もたまったものではなかろう。それで少しでも売上に協力せねばと、食い道楽・飲み道楽に走った。

パドック脇「スターライト」のクラフトビールと揚げ物たちで乾杯し、

Lウイング2階のホルモン専門店でホルモン炒めを一番搾りで流し込んだら

Lウイング1階の「アジアバル001」で焼き小籠包とレモンサワーで3度目の乾杯をした。馬券などそっちのけ。普通に飲みに行くより飲んだ気がする。

それにしても「アジアバル001」の焼き小籠包には注意が必要だ。アツアツをふーふー言いながら口に投入、しかるのちに皮を破ると口の中に激アツのスープがあふれ出て溺れそうになったのである。幸運にも溺死を免れても一定程度の火傷は免れない。しかし、それを差し引いてもこの小籠包は美味い。だからドキドキしながらも2個目をすぐ口に運ぶことになる。そしてまた溺れそうになる。

私が子供の頃、小籠包という料理は身近な存在ではなかった。今ではその地位は大きく順位を上げてはいるものの、それでも上位にランクインする餃子や焼売を脅かすには至ってない。

その証拠に、昨年秋の大井では「ショウロンポウ」という馬が走っている。ヴィクトワールピサ産駒の牝馬。7着に敗れたが、その後動静は聞かない。さらに半世紀ほど昔にも同名のショウロンポウが走った記録がある。こちらは小籠包のごとき白い芦毛馬。やはり大井所属だった。大井と小籠包の縁は浅くなさそうだが、ともあれ馬名に使えるということはその料理がメジャーではないことの裏返し。「ギョーザ」や「シューマイ」では馬名として認められる可能性は少ない。

私が初めて小籠包を口にしたのは、半世紀の歴史を誇る大門の名店「新亜飯店」。「餃子と肉まんの間のようなもの」と言われて初めて食べたその味は、餃子や肉まんのそれを遥かに凌ぐ衝撃的なものだった。驚いたのはその艶やかな皮から溢れ出すスープである。なぜこんな薄い皮にスープごと包むことができるのであろうか?

その答えは単純であった。小籠包は豚の皮の煮こごりを混ぜ込んだ肉のあんを小麦粉の皮で包んでいる。蒸すと煮こごりが溶けてスープになるのだと「新亜飯店」の方は親切に教えてくれた。大井町からの無料バスが廃止となった今となっては、大門(浜松町)こそが大井への玄関口である。次回大井訪問の折りには、久しぶりに「新亜飯店」に立ち寄ってみよう。

 

***** 2024/4/16 *****