福島男の面目躍如

昨日の福島3レースの3歳未勝利戦は、芝の2600mにフルゲートの16頭が揃った。ローカルでは珍しくない2600m戦だが、3歳未勝利の舞台となるのは、夏夏の福島開催ではこの一度きり。ゆえに毎年のようにフルゲートの激戦が繰り広げられる。

今年の優勝馬シドニーライトはデビュー6戦目で初の2600m戦である。好発から道中は4~5番手をじっくり追走。2周目の3コーナー過ぎから促して、4コーナーを回る勢いで馬場の良い外目に持ち出したかと思うと、そこから一気に突き抜けた。上がり最速で後続に3馬身半差なら完勝と言って良かろう。

シドニーライト 江田照男

管理する中館英二調教師は、これが記念すべき調教師200勝目だった。開業10年目。通算2370戦目での達成である。

騎手としてのJRA通算勝利数は1823勝。そのうち4分の1近い425勝を福島でマークした。福島リーディング獲得は16回を誇る。中でもツインターボとのコンビで制した七夕賞は忘れ難い。前半千メートルを57秒4という猛ラップで飛ばしながら、後続に影すら踏むことも許さず4馬身差で圧勝してみせた。目の肥えた福島のファンからも一目置かれる騎手だったことは間違いない。調教師としてもこの福島開催だけで早くも4勝。夏の福島リーディングトレーナーも見えてきた。

ちなみにシドニーライトの4代母 Konafa はヘクタープロテクターやシャンハイの祖母でもある。ということはつまりボスラシャムの近親。1996年の英1000ギニーを勝ち、カルティエ賞最優秀3歳牝馬に選出された名牝の名をアカウント名に使う筆者にとって、注目せずにはいられぬ一頭でもある。ドゥラメンテが種付けされているのはダテではない。福島の芝2600mで初勝利を挙げた馬に大成した馬がいないのは事実だが、シドニーライトにはそんな過去の歴史を塗り変える活躍を期待しよう。

 

***** 2024/7/15 *****