激戦のクリスマスイブ

今年もこの季節が到来。「まだ早い」「まあそのうち」「今日は気が乗らない」と適当な理由を付けて対決を避けてきた筆者も、ついに昨日の日曜日になって雌雄を決する覚悟を決めた。ようやく重い腰を上げて、年賀状の束と対峙したのである。

とはいえ敵は以前に比べて格段に少ない。3年前、大阪への転居を機にそれまで引き受けていた競馬絡みのわずかばかりの仕事を辞めた。それに伴って、長年続けてきた競馬関係者との年賀状のやり取りも大胆な断捨離を断行。一時期は250枚に到達していた年賀状を親類縁者を中心に30枚程度に収めたのである。そういう意味ではさっさと片付けてしまえば良いはずなのに、なぜか腰が重い。枚数減少と引き換えに、万事面倒くさく感じるようになった。これは加齢によるものであろう。

ともあれ朝9時のグリーンチャンネル中継開始を合図に、前哨戦たるデザイン作りに取り掛かった。一昨年はソダシ。去年はタイトルホルダーの写真を使ったが、今年はイクイノックス一択で仕方あるまい。宝塚記念天皇賞秋、ジャパンカップで撮った写真を吟味して新年に相応しそうな一枚を探し出す。しかしそうこうしている間に飼い犬が騒ぎ出した。「散歩に連れてけ!」とうるさい。仕方なく作業は中断。

帰宅するとちょうど宅配業者がウチ宛の荷物を運んできた。大量の下仁田ネギである。とても我が家で食べきれる量ではない。そこで数本ずつ小分けにしてご近所に配る。その姿はさながら各家庭にプレゼントを配るサンタクロース。胸躍らせて袋を開けた子供たちはガッカリしたに違いない。だってネギですからね。

それでもまだ余っているので昼はねぎま鍋。食べながらグリーンチャンネルで中山5Rの新馬戦を視る。勝ったパドマの手綱は加藤翔太騎手。なんとこれが今年の初勝利だという。有馬当日の騎手事情を考えても凄い。管理する杉山晴紀調教師はこれが今年の55勝目。リーディングトレーナーを確実にした。

〆の蕎麦まで食べ終えて年賀状を再開。ようやくデザインが決まって印刷を始めたところで、あろうことかライトマゼンダのインクが切れた。予備もない。仕方なく買いに出て帰宅すると、フジテレビ「みんなの競馬」が始まっている時間ではないか。

パドックの画面を横目に見ながらどうにか印刷を終えたが、ここから最大の難関「宛名書き」が控えている。表面はプリンタのお世話になっても、ここは手書きにこだわりたい。そのために書き味の良さそうなペンも数本用意したが、いちばん良かったのはエクセル梅田への入場の際にオマケで配られたサインペンだった。2500円の入場料金を取り戻した気分。

とはいえ有馬記念を視ながらの宛名書きは覚束ない。M-1にチャンネルを変えたところで、その傾向はいや増す。おかげで5枚もの書き損じを出てしまった。損失率1割6分となれば我が軍の被害も大きい。加齢と共に集中力も衰える。年賀状をやっつけたとはいえ、これを果たして勝利と呼べるのか。年を追うごとに疲労感は増すばかり。郵便料金が値上げとなる来年は、いよいよ年賀状戦線からの撤退を真剣に考えることになるかもしれない。

 

 

***** 2023/12/25 *****