一軍の壁、重賞の壁

ゴールデンウィーク期間中も野球場に足を運ばねばならぬ身である。連休も今日が最終日。曇り空のZOZOマリンでは間もなくロッテvs西武の試合が始まる。

名古屋グランプリを観てから、バンテリンドームで巨人vs中日という素敵なプランも考えてはみた。それが実現しなかった原因は私の馬券下手にある。新幹線代まで注ぎ込んでレーベンスティールから勝負した新潟大賞典は散々だった。私の勝負馬券があの不可解な敗戦に繋がったのだとしたら、関係者に申し訳ない。

ともあれ最近はちょくちょく海浜幕張に来るので、たまには「さくら」以外のお店でお昼としよう。そう思って駅前のビルに入ったら「スパゲッティーのパンチョ」が入っている。言わずと知れたナポリタンの専門店。とはいえミートソースもある。迷わず入店。

我々が子供の頃のパスタといえば、ナポリタンかミートソース。このどちらかだった。ペペロンチーノもカルボナーラペスカトーレもない。いや、そもそも「パスタ」などという呼び方をするようになったのもつい最近のことだ。当時は、太さも形も関係なく、すべて「スパゲッティー」と呼んでいた。

ただしナポリタンに関して言えば、今でも懐古的なメニューとして支持を受けている。いわゆる「昔ながらのナポリタン」とか「喫茶店ナポリタン」というやつ。一方で、ミートソースの方は存在感を失って久しい。

ナポリタンブームを後押ししているのは、「実はナポリには“スパゲティーナポリタン”という料理はないんだよ」というギミックではあるまいか。だが、日本のミートソースのようにトマトソースで煮込んだひき肉をスパゲティの上にドバっとかけて食べるような料理だってイタリアには存在しない。「ボロネーゼ」が引き合いに出されることが多いが、あれは単に「ボローニャ風」という意味でミートソースを表すものではない。もっと日本のミートソースにも温かい眼差しが向けられてもいい。

ともあれ、私はナポリタンよりもミートソース派。理由はおそらく、前にも述べた私の幼少期からの食卓事情にあると推測する。贅沢と言えば肉。すなわちミートなのである。

「パンチョ」の人気の秘密は安さとボリューム。1人前790円で、小盛り(300グラム)、中盛り(400グラム)大盛り(600グラム)まで選ぶことができるほか、金額アップで1.2キロ、1.6キロ、2.3キロのスパゲティを堪能することができる。安くて量も味も申し分ないのだから人気は当然だ。

スパゲッティー好きにはたまらないこのお店。だが1キロ超のオーダーには慎重さを求めたい。「こないだ大盛り(600グラム)楽勝だったから、今日は1.2キロいっちゃおうかな」などという客が、運ばれてきたスパゲティの山に悪戦苦闘するシーンをたまに見かける。3勝クラスを楽勝した馬が、GⅢで大きなカベにぶつかるようなものか。600グラムまでは条件戦。そこから先は別世界。料金設定が異なるのは決してダテではない。

今日のロッテvs西武の試合で西武の3番を務めた若林選手は2試合続けての4タコに終わった。二軍では打率4割超えの大活躍。しかし一軍でなかなか結果が出ない。どこにも同じような話はある。試合後の海風は思いのほか冷たい。長かったゴールデンウィークもやっと終わりだ。

 

***** 2024/5/6 *****