【新春駅麺探訪④】関谷スパゲティ

茹で置きのスパゲティをフライパンで具材と炒め合わせて食べる「ロメスパ」―――。

路面の立ち食いそば屋のように、注文から間を置くことなく提供されて、忙しいサラリーマンでも気軽にサッと食べることができることからそう呼ばれている。そういう意味では「駅麺」向きのメニューと言えなくもない。

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ようやくそのことに気づいたのか、品川駅改札内にロメスパの専門店「関谷スパゲティEXPRESS」が2021年7月にオープンしていた。中目黒のロメスパの名店「関谷スパゲティ」の駅ナカ版らしい。極太麺はそのまま、最高出力の中華バーナーを用いて、熱伝導効率の高い鉄製中華鍋で一気に香ばしく仕上げることで、素早く香ばしい一皿に仕上げることができるのだという。

でもそれって大手町の「リトル小岩井」と同じじゃん―――。

そう思ってたらどうやら同系列らしい。どうりでメニューも同じなワケだ。ナポリタンはもちろん、醤油バジリコ、きのこバター、キーマカレー、等々。大手町「リトル小岩井」でお馴染みのメニューを品川駅構内で味わうことができる。

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品川駅の醤油バジリコは880円と大手町より160円ほどお高め。別盛(ちっちゃなサラダ)も付かない。さらに具材を見れば豚バラ肉の代わりにベーコンが使われているので、塩味がやや増して、油感は軽減されている。こちらの方が好みという人もいるに違いない。

「ロメスパ」とか「焼きスパ」と聞くとB級グルメの極みみたいに思われるかもしれないが、本場イタリアでは昔からの家庭料理として愛されてきた。冷蔵庫に余った素材を具にして、茹でたパスタと一緒にフライパンで炒めるのがマンマの味。ある意味では本格派のイタリアンなのである。

そんなことを考えつつ醤油バジリコを完食。さあ帰ろうかというタイミングで入店してきたお客さんが、店員に食券を渡しながら「ナポリタン、具なしで」と慣れた口調でオーダーした。すごいですね。ロメスパの境地はそこにあるのかも知れない。一度やってみたいが、貧乏人には相当勇気がいる注文だ。

 

***** 2024/1/12 *****