BBQの聖地

夕方の便でオースティンを発ち、1時間のフライトののち同じテキサス州のダラスに降り立った。むろん競馬観戦目当てではない。ローンスターパーク競馬場の春開催はまだずっと先。それでもカウボーイの街だけあって、街中には馬グッズが溢れかえっている。NFLの名門ダラス・カウボーイズのホームタウンと書いた方が早いかもしれない。f:id:keibasalon:20240313224929j:image

夕食に入ったのはダウンタウンのバーべーキューレストラン。こっちへ来てからずっと肉ばかり食べている。さすがに飽きたが、肉しかないのだから仕方ない。ラーメン屋もあったが高くてやめた。1杯26ドル。だいたい4000円。来日経験豊富なコーディネーターによれば「マズい」という。旨い4000円のラーメンと、すごくマズい4000円のラーメンなら、後者の方がぜったい話のタネになる。そう言ってみたけど誰の賛同も得られなかった。f:id:keibasalon:20240313224948j:image

バーベキューは米国の国民食のひとつだが、その本場がここテキサスである。日本で言えば築地の寿司とか道頓堀のタコ焼きに近い。なにせ「テキサスの住人はバーベキューの煙を呼吸している」と言われるほど。地元テキサスの研究者が「大気中の浮遊物から肉の成分を発見した」という嘘としか思えない実話まで存在する。

テキトーに肉を焼いてタレに付けて食べるだけ―――それが私のBBQのイメージ、でもそんなことをここで口走ったら、きっと袋叩きに合う。各家庭の秘伝のソースとか代々伝わる焼き具合といった具合に、とにかく皆こだわりが強い。牛肉なら5時間、鶏肉でも3時間。微妙な焼き加減を見極めながら長時間の調理をこなす根気も求められるんだとか。ちなみにテキサス州のバーベキューは牛肉が使われるが、ちょっと離れたテネシー州では豚肉が使われるとのことで、このあたりは関東と関西の肉文化にも似る。

ではこれよりアメリカン・エアラインズ・センターに移動してNBAの試合を観戦する。今シーズンのMVPとの呼び声も高いルカ・ドンチッチ率いる地元マーベリックスが、シカゴの名門ウォリアーズを迎え撃つ一戦。必見だ。

 

***** 2024/3/13 *****