【頑張れニッポン馬術①】総合

パリ五輪の開幕がいよいよ5日後に迫った。例によって馬術に関する報道が少ないとお嘆きの貴兄のため、今日から3回に渡ってオリンピック馬術競技について書くことにする。

まず最初に開会式翌日の27日から始まる「総合馬術」から。

3日間で「馬場(ドレッサージュ)」「耐久(クロスカントリー)」「障碍飛越(ジャンピング)」の3競技を同一人馬で戦い抜くタフでハードな種目。日本からは大岩義明選手、北島隆三選手、そして前回東京大会で個人4位入賞の戸本一真の3選手が出場する。

実は馬術競技は今大会の目玉のひとつと言って良い。フランスを代表する歴史的建造物のひとつヴェルサイユ宮殿がその会場だからだ。壮大な庭園に仮設競技場と観客席が設けられてドレッサージュとジャンピングが行われるほか、クロスカントリーは大運河(グラン・カナル)沿いの特設コースが用意されている。

中でも注目はクロスカントリーであろう。最大で45個もの障害物が設置された全長約6キロにも及ぶコースは、人馬の体力を容赦なく奪う。「耐久」の名はダテではない。終盤は人も馬もバテバテ。それでもお互いゴールを目指さねばならないのだから、最終的には人馬の絆が試される競技だと言っても良い。大岩選手の騎乗馬はグラフトンストリート。北島選手のパートナーはセカティンカ。そして戸本選手の相棒は東京五輪と同じくヴィンシーだ。

実はヴィンシーは2019年のシーズン終盤に屈腱炎を発症した。競技馬でも屈腱炎になるし、半年以上の休養を要することも競走馬と同じ。東京五輪まで9か月という時点での屈腱炎発症となれば、出場は絶望的と言って良い。

だが、ほどなくして東京大会の延期が決まる。おかげでヴィンシーは2020年シーズンをまるまる休養に充てることができた。もし、コロナ禍による大会延期がなければ、東京大会の4位は無かったかもしれない。万事塞翁が馬である。もちろん今では脚元に問題は無い。東京大会を超える順位を期待しよう。

【出場選手】
 大岩義明
 北島隆三
 戸本一真

【日程】※日本時間
 7/27(土) 16:30 馬場
 7/28(日) 17:00 耐久
 7/29(月) 18:00 障碍

グリーンチャンネル放映予定】
https://www.greenchannel.jp/program/paris2024-olympics-equestrianism.html

 

***** 2024/7/21 *****