【新春駅麺探訪②】星のうどん

駅の立ち食いと言えば関東圏ではそばをイメージするのが一般的。うどんもメニューには存在するのに、一般には「立ち食いそば」とか「駅そば」などと呼ばれる。

だが、一歩関東を離れればそうとは限らない。佐賀競馬場への最寄駅となるJR鳥栖駅構内には、美味いと評判の駅うどん店「中央軒」がある。中にはわざわざ入場券を買って食べに行く客もいるらしい。

この駅うどんを有名にしているのは、その美味しさだけでなく、「なぜか6番ホームにある店がいちばん美味い」という伝説によるところが大きい。そんな噂を確かめるため、私も6番ホームだけでなく、ほかのホームや改札街待合室の各店舗で名物の「かしわうどん」を食べてみた。たしかに6番ホームがいちばん美味しい。不思議だ。ただ、そのときは最初に6番ホームで食べたので、ただ単にお腹が空いていただけという可能性もある。そういう意味では「6番ホーム最強説」の真偽は謎のままだ。

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相鉄の横浜駅構内に店を構える「星のうどん」は、関東には珍しい駅うどん店として30年以上この地で愛されてきた。その名に違わず、そば類はメニューに置いてない。

「うどんはさぬき。健康第一。塩分ひかえ目。汁は薄口博多風」

これがこの店のコンセプト。ムロアジ、サバ、ソウダガツオ、フシ、カツオといった魚と利尻コンブから引いた黄金色のダシも、モチモチした食感の麺も、いずれも駅構内の立ち食い店が出すレベルを凌駕している。当然ながら値段も安い。写真のゴボウ天うどんが510円である。だが、駅そば文化の関東で敢えて“駅うどん”にチャレンジしようとするその心意気を思えば、このレベルの高さもなるほどと理解できる。

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ちなみに、前述の鳥栖駅6番ホームの「中央軒」には入場券を買って食べに行く客がいると書いたが、こちらの「星のうどん」には、改札外から利用できるカウンター席もあるので、わざわざ入場券を買う必要はない。むろん出てくるものは同じ。ただ、その場所が分かりにくいことが難点か。五番街改札口の近くです。

 

***** 2023/1/3 *****