インフルエンザに注意を

インフルエンザが全国で猛威を振るっています。皆さんは大丈夫ですか? 私自身は大丈夫なのですが、家族が罹患してしまったので、引き籠りの正月を過ごしています。

仕方ないのでネットで名古屋の馬券でも買おうかと出馬表を確認したら、騎手3人、19頭が騎手変更となっているではないか。メイン・名古屋記念の人気馬2頭も騎手変更。圧倒的1番人気フリーザフレスカのヤネは、昨年の勝利数ランキング4位・塚本騎手から16位・丹羽騎手へに変わった。難しい馬だけに波乱の香りも漂ってくる。

3騎手とも変更理由には「疾病」とあるのみ。ひょっとしたらインフルエンザかもしれない。名古屋市は昨年秋からインフルエンザ警報が発令されたままだ。

7年前の高知競馬では、インフルエンザの感染もしくはその疑いなどにより、騎乗を予定していた騎手7人が騎乗を取りやめるという騒ぎがあった。当時、高知に在籍していた騎手は23人。そのうち一人は骨折療養中で、もう一人は研修に出ていた。すなわち騎乗可能な騎手は21人しかいない。7人もの騎乗キャンセルは、そのうちの3分の1を失うという異常事態であった。

当日予定されていた全12レースの出走頭数は106頭。そのうち42頭が騎手変更になった。残された14人の中には10鞍に騎乗した騎手もいる。高知のルールでは一日の騎乗レース上限は8鞍まで。そのルールも解除された。ウマはレースごとに入れ替わるが、騎手の顔ぶれはほとんど同じ。ファンも面食らったのではあるまいか。

移動が多い上に、レース前夜になると調整ルームという密室空間での集団生活を余儀なくされる騎手は、そもそも感染性の病気にかかりやすい職業と言える。

JRAでインフルエンザの大量罹患という話は聞いたことがないが、ノロ騒ぎが起きた。2006年12月17日の阪神競馬で、藤岡佑、小坂、船曳、長谷川の4騎手が次々とノロウイルスに倒れたのである。JRAの場合は、騎手にもゆとりがあるから、乗り替わりの手配は問題ない。たいへんだったのは調整ルームや騎手寮の消毒である。感染源が分からないので、阪神から遠く離れた中山や中京でも大々的な消毒作戦が展開された。インフルエンザは怖いが、ノロはもっと怖い。

川崎競馬でも騎手のインフルエンザの集団感染が発生したことがある。このときは開催日程の途中だったにもかかわらず、調整ルーム閉鎖の措置がとられた。学級閉鎖みたいなもの―――。そう言って笑っていられるうちはいい。公正競馬維持のために存在する調整ルームが、競馬開催そのものの維持を危うくすることもある。

 

***** 2024/1/4 *****