東京ラーメンステークス(前半)

GⅠの谷間ということもあって、この土日の東京競馬場は比較的空いていたのだが、内馬場に限れば家族連れを中心に大盛況だった。行われていたのは「復活! 東京ラーメンステークス2023」というグルメイベント。その触れ込みには「食べログ評価3.5以上の名店が多数出店」とある。食べログの評価に興味はない筆者だが、何事も食べてみないことには始まらない。まあ、馬券がまるで当たらず、どうせ溶かすならラーメン食べた方がまだマシという歪んだ思いがあったことは認める。

Stakes

イベントは食券制。自動発券機が3台並んでいるので、そこで事前に買ってから各店に並ぶ。価格は1枚1000円で統一。食券1枚と引き換えに、各店の基本スタイルのラーメン1杯が提供される。追加トッピングはそれぞれの店頭で現金で支払うという仕組みだ。

食べログ3.5以上というのは高評価だから、どの店もそれなりに美味しいお店のはず。それでも行列の長さには大きな差が現れるから面白い。30人以上並んでいる店もあれば、待ち人数ゼロの店もある。待ち人数ゼロの店だって美味しいはずなのに。

まるで競馬の単勝人気ではないか、と思った。「行列があるお店=美味しい」という心理がさらに行列を増長させて、人気が実態とかい離することは珍しくない。競馬も同じ。勝ち馬に乗りたいと思う気持ちが、実力差以上のオッズ差を生む。土曜日の13時半時時点で30分待ちの大行列だった「純麦」が、翌日曜の同じ時間で待ち人数ゼロだったことなどは、その好例ではなかろうか。ただし「純麦」の一杯はものすごく美味しかったことは「純麦」の名誉のために強調しておきたい。何より麺が違う。だてに屋号で「麦」を名乗っていない。日曜日に並ぶことなくこの一杯に辿り着けた人はラッキーだ。

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続く「ナポレオン軒」は「釜玉中華」で知られた一軒。うどんの釜玉よろしく、茹でたての極太縮れ麺に醤油ベースのタレを合わせ、生玉子を落としてよく混ぜたら一気にすする。さっきの「純麦」さんと似ていなくもないが、コショウのパンチが効いているぶん「カルボナーラ感」が際立つ一杯。聞けばこの7月に府中本町駅近くに新規出店したというから、次回はお店で食べてみよう。

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塩ラーメンで知られる蓮根の人気店「らあめん元」は、つけ麺で勝負してきた。このような容器で提供されるせいか、どうしてもコンビニライクな味を想像してしまうが、決してそのようなことはない。むしろ逆。麺の味、喉越し、つけ汁との一体感。すべてにおいて驚かされた。こちらのお店にも機会があれば訪れてみたい。

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ラストは「自家製麺・竜葵」。「竜葵」と書いて「ほおずき」と読むらしい。こちらの塩ラーメンは、名古屋コーチン比内地鶏、さつま地鶏の日本三大地鶏から取ったスープが決め手だという。その透き通ったスープはあっさりしていながらコク深く、自家製の細麺に絡めても良し、そのまま飲んでも良しと、とにかくクオリティが高い。川口で営業しているというお店は、名古屋メシをコンセプトとしていて、ひつまぶしなんかもメニューに載っているとか。そうと聞いたら、ここにも行きたくなってきた。お店やイベンターの思うツボになっている自分が情けない。

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イベント自体は店舗を変えながらジャパンカップ当日まで続く。ちなみにここで紹介した4店舗のうち「純麦」以外の上記3店舗は、今週末も引き続き内馬場に出店するそうだ。

 

 

***** 2023/11/7 *****