無傷の8連勝

2024年最初の競馬観戦は船橋競馬場と相成った。今夜のメインは3歳馬による重賞ブルーバードカップ。今年からダートグレードレースとなりJRAの強豪も参戦してくる。大幅リニューアルされた3歳ダート路線の実質的なオープニング。寒空のナイター開催にも関わらず、案外お客さんが入っているのは、そのせいかもしれない。

しかし私の目当ては8レースの初鷹スプリント。B3クラスによる1200m戦に、デビューから7連勝中のジゼルが出走するのである。

初陣は3歳6月とデビューこそ遅れたが、そこからの7連勝はいずれもワイサイド。全てのレースで1秒以上の差をつけてきた。今回は3か月の間隔が空いたが、仕上がりに問題はない。敢えて不安を上げるとすれば、私が初めて観戦に来ていることか。前からひと目観たいと思っていたが、大阪暮らしの身に船橋競馬場はあまりに遠い。ようやく東京に戻れたら、今度はジゼルの方が休養である。ようやく訪れた初観戦。それでいざ競馬場に着いてみると―――なんだかものすごく負けそうな気がしてならない(笑)

なにせ、地方所属馬同士ではデビュー以来28戦続けて馬券圏内を外したことのないハクサンアマゾネスを私が初めて観たのが、昨年の秋桜賞。わざわざ名古屋まで観に行ったら、よもやのシンガリ負けである。思えばトウケイニセイを初めて観に行ったときも、デビュー以来の連続連対記録が41で途切れた。私が念願かなって観に行くレースでは、なぜか連勝記録や連続記録が途切れてしまうのである。

しかしジゼルはそんな私の不安を吹き飛ばす走りを見せた。ポンとゲートを出でガッチリ2番手をキープ。3コーナー過ぎに先頭に立つと、あとは持ったままの楽勝である。2着との着差2馬身半はこれまでより小さいが、3着はさらに8馬身離したから気にすることもあるまい。なにより1分12秒6の時計が秀逸。昨日の古馬オープンの勝ち時計が1分14秒1。それを1秒5も上回った。3か月の休養がもう一段階上のギアを引き出したのかもしれない。

シニスターミニスターからボトムラインを遡れば、サウスヴィグラスアジュディケーティング、ホスピタリティとダートの王道が配合されている。祖母は2008年のトゥインクルレディー賞を勝ったスターオブジェンヌだから、南関東とのゆかりも深い。血統的裏付けに走破時計が追いついてきた今なら連勝はまだまだ伸びる。

惜しむらくは南関東に左回り1200mの目指すべきレースがないことか。そんな心配はまだ早いと言われるかもしれないが、そんな心配をせずにはいられぬ勝ちっぷりだったことは間違いない。とりあえず次の目標は9連勝。ベルモントアクターの17連勝は、とてつもない記録だ。

 

***** 2024/1/17 *****