年に一度の「たらこデー」

その体型に違わず高い尿酸値を誇る私。いまのところは予備軍で済んでいるが、いつの日かあの恐ろしい痛風を発症してしまう可能性はある。だからここ数年の間、魚卵を断つとは言えないまでも、できるだけ控えてきた。中でも好物のタラコ(むろん明太子も)は魚卵の中でもプリン体含有量が高い。なんと筋子の10倍もあるという。こりゃダメだ。

しかし、近年ではプリン体と尿酸値の因果関係がさほど大きくないことが明らかになっているらしい。そも尿酸値の「標準値」も単なる目安に過ぎず、標準値内であれば痛風を発症しないという保証があるものではないそうだ。

そんな話を聞いたせいかどうかは知らぬが、今日の昼は八丁堀の名店「マイヨール」で明太子スパゲティーを食べた。タラコや明太子のスパゲティーには、なぜかこの木の器が合う。

こうなったら今日は年に一度の「たらこデー」としよう。そこで水道橋の「水道橋麺通団」で明太醤油うどんを軽く啜ってから、オフト後楽園へと向かった。川崎のメインに狙うべき馬がいるのである。

その馬券がこちら。

メンタイマヨはシニスターミニスター産駒の牡5歳。ここ3戦は負けているとはいえ、差のない競馬を続けており、そろそろ勝ってもおかしくはない。勝てば、今日の「たらこデー」をきれいに締め括ることができよう。

タラコのような鮮やかなピンク色の帽子に、唐辛子を思わせる真っ赤な勝負服をまとった山崎誠士騎手が懸命に追ったが、結果は9着。明太子は美味しいが、馬券は惜しくもなかった。

このままでは「たらこデー」が締まらないので淡路町に移動。「釜善」の明太釜玉うどんを啜りながら考えた。

タラコや明太子に限らず、カズノコイクラカラスミ、そして卵ではないがフグの白子。これの食材が言い様もなく美味であるのは、その一粒一粒に生命そのものが凝縮しているからであろう。耐え難き痛風の痛みは、それを頂く人間に天が与えた代償に違いない。そう思うことにしよう。

  

 ***** 2024/5/9 *****