【街角の競馬メシ④】KASUYA

ベルーナ、ZOZOマリンと続いて今日は藤井寺にやってきた。藤井寺球場なんてもうあらへんやろ!というご指摘はごもっとも。ホントは京セラドームに行くのだが、その前にかつての藤井寺球場の跡地に立ち寄ってみただけの話。ともあれ1989年の日本シリーズで巨人が3連敗からの4連勝で逆転日本一を決めた舞台はすでに解体され、その跡地は学校になっている。あまりにガラガラのスタンドで客が焼き肉をしていたという逸話など、今の若い野球ファンには信じられぬであろう。

実は藤井寺にはもう一つ立ち寄りたい場所があった。かすうどんの「KASUYA」。東京、中山、京都、阪神の4場に出店しているかすうどんは、もはや競馬場メシの代表格であろう。その本店が実はここ藤井寺にある。

KASUYA中山競馬場

「かす」というのは牛のホルモンを揚げたもの。関西ではお好み焼きやたこ焼きの隠し味として使われるメジャーな食材で、カリっとした外目とトロっとした内側の食感のコントラストが楽しい。むろん良い出汁が出る。

さきほど「関西ではメジャー」と書いたが、もともとは関西の中でも大阪の南河内地方で食べられていた郷土食材である。その中心地たる藤井寺周辺では昔からうどんや鍋料理に使われてきたらしい。つまり、かすうどんの聖地である。その街の一角に「KASUYA」の本店は暖簾を掲げていた。

競馬場では縦長の紙カップで提供されるが、やはりうどんは丼で食べる方が美味い。当たり前の話だが、こちらの方がメニューも豊富に揃っている。いろいろな部位のホルモン焼きやホルモン揚げなんてのもあるが、やはり眼目はかすうどんである。

熱々のうどんをひと口啜ると香ばしいかすの香りが鼻腔に立ち上ってきた。カリッという小気味良い歯ごたえも、かすかな甘みもかすのなせる業。旨味が溶け出したダシの美味いこと。つい最後まで飲み切ってしまう。そういう観点からすれば、競馬場のあのカップの形状はダシを飲み干すのには向いているのかもしれない。

上の写真は中山競馬場「KASUYA」の肉かすうどん。こちらの器はいわゆる丼タイプ。これまで中山競馬場では食事選びに困ることが多かったが、最近ではこれ一択だ。

藤井寺での所用を終えたところで京セラドームへと向かう。

 

***** 2024/6/27 *****