呪われた金曜日

先週の金曜日のこと。ふと名古屋へ行こうと思い立った。重賞は行われないが、メインの「ペリドットオープン」にセブンカラーズが出走するらしい。牝馬ながら8戦無敗で昨年の東海ダービーを制した女傑である。

ダービー優勝後に脚部不安を発症。約半年間の長期休養を余儀なくされたが、迎えた年明けの復帰初戦を勝って連勝を「9」に伸ばした。その後、地元名古屋で連敗を喫し、連勝記録は途絶えたものの、5月に金沢に遠征して5つめの重賞タイトルを獲っている。これだけの実績がありながらオープン戦を使うのは、その金沢遠征以来3か月ぶりの実戦ゆえの判断であろう。ともあれ私としては愛知の女傑を一目見ておきたい。

ルンルン気分で新横浜駅に到着。車中で食べようとシウマイ弁当も勝った。ついでに、念のためスポーツ新聞も購入。これで準備はバッチリ。さて、セブンカラーズにはどんだけ◎が並んでいるんかいな?と紙面を開いてみると、予想欄には◎や○ではなくまさかの漢字が並んでいるではないか。

取消……?

ただちに踵を返すと、そのまま川崎競馬場へと向かった。そこから先の話は先週も書いた通りである。女傑の代わりに「女王様」の走りを見届けたのち、シウマイ弁当を食べながら考えた。いったん火が点いた旅打ち熱は川崎ごときで冷ませるはずもない。来週こそはリベンジだ。さあ、いつどこに行ってやろうか。

2024年8月9日 川崎1R ミユキジョオウサマ 神尾香澄

それで遠征を計画したのが今日の園田だ。夏の園田を彩るハンデ重賞・摂津盃。おととしは重賞未勝利なのに58.5キロを背負わされたシェダルが重賞初制覇を果たし、昨年は重賞2勝の実績を誇りながら55.5キロのツムタイザンが復活勝利を遂げた。そのツムタイザンが連覇を目指して今年はハンデ57.5キロで登場してくる。強敵はJRAから転入してきたキリンジ。こちらは重賞未勝利だが58キロを課されている。ハンデキャップというものが実に奥が深い。その奥深さをこの目で見届けようと思ったら、今度は新幹線が計画運休になった。むろん関東に接近する台風7号のせい。さあ、どうしようか。

2023年 摂津盃 ツムタイザン 杉浦健太

仕方ないから大井にでも行こうと考えたのは先週と同じ。ところが大井も開催取り止めだという。その理由は「台風の影響でお客様の安全な来場を確保することが難しいと判断したため」だそうだが、それならなぜ明日の代替開催を無観客にするのか。ならば今日を無観客開催にしなさいよ―――なんて大井に当たったところで台風には勝てない。結局、お盆と台風で人もまばらな大手町へと足を運び、「インディアンカレー」でダイタマを食べた。気分だけでも大阪を味わおうとしたつもりだったが、旅打ち熱は収まるどころか、余計上がってしまった気がする。

台風7号に関しては、私よりも大事な計画が狂わされた人もたくさんいらっしゃるだろうから、あまり身勝手なことも言えない。しかし2週続けて旅の予定が直前キャンセルになると、さすがに思うところもある。今の私にとって西が鬼門なのか、あるいは金曜日が呪われているのか。少し真剣に考えた方が良さそうだ。

 

***** 2024/8/16 *****