実質的には16回目

明日の大井では第35回東京スプリントが行われる。とはいえ「東京スプリント」として行わるようになったのは2009年以降の話。それまで古馬のダート1200m重賞は東京盃(JpnⅡ)とカペラS(GⅢ)の2レースしかなかった。いずれも秋のレースである。

上半期としては初となるダート1200m重賞が行われることになったのだから、ダート1200mのスペシャリストたちが黙っているはずはない。フジノウェーブアグネスジェダイが勇躍参戦してきたが、勝ったのは1200m未経験のゼンノパルテノンだったりするから競馬は難しい。

2009年 東京スプリント ゼンノパルテノン 内田博幸

このレースの前身は南関東ローカル重賞の「東京シティ盃」。主に1月の1400mで行われていた。勝ち馬にはセントリックやサプライズパワーといったダービー馬の名前が並ぶ。今の東京スプリントとはぜんぜん違うレースだと思った方が良い。第1回の覇者ダイコウガルダンに至っては、前走で2800mの東京大賞典を勝っていた。距離適性も何もあったもんじゃない。

ただし、である。そんな東京シティ盃にあって1999年の優勝馬カガヤキローマンは生粋のスプリンターだ。外枠不利とされる大井1400mで、大外16番枠からハナを奪っての2馬身半差は能力の証。東京盃連覇の実力はダテではない。

1999年 東京シティ盃 カガヤキローマン 森下博

さて、今年の東京スプリントの出走馬をあらためて見渡せば、ギャルダルの名前に目が留まる。2021年東京ダービーの2着馬。1200m戦を走ったこともない。

かつてのレース傾向を知る者とすれば決して軽視はできないのだが、5頭いるJRA所属馬の牙城は堅牢だ。どこまで上位争いできるか。地元側としては川崎記念のライトウォーリアの再現を期待したい。

 

***** 2024/4/9 *****