6日の金杯

今年のJRAの開催カレンダーは例年より1日遅れ。明日6日の東西金杯で幕を開ける。

わずか1日ばかりのズレとはいえ、明日を待ち望んでいるファンは少なくあるまい。暮れのホープフルSから中8日。普段の中5日のリズムが染みついた身体に3日間もの「お預け」は拷問に等しい。土曜日ということも加味すれば、明日の中山競馬場は大混雑必至だ。

京都金杯がマイル戦となり、東西金杯の位置付けが現在のように固まった2000年以降、中山金杯が1月6日に行われたことは2回ある。その結果は下記の通りだ。

2007年1月6日 第56回中山金杯
シャドウゲイト   53.0 田中勝 3人気
アサカディフィート 57.5 小牧太 10人気
ブラックタイド   55.0 後藤浩 2人気

2018年1月6日 第67回中山金杯
①セダブリランテス  55.0 戸崎圭 1人気
②ウインブライト   56.0 松岡正 2人気
③ストレンジクォーク 54.0 柴山雄 10人気

かつては「荒れる金杯」の格言があった。1987年の優勝馬トチノニシキは14番人気。1988年アイアンシローは12番人気。1994年ヒダカハヤトは10番人気。二桁人気馬が勝ちまくれば、荒れるイメージが染み付いても仕方あるまい。

荒れる要因はいくつがある。なによりハンデ戦であること。そしてオフシーズンの重賞の割に注目度が高くため人気も偏りやすい。

正月を挟む変則日程も要因のひとつとされてきた。普段なら土曜日に出走する可能性のある馬は、水曜日に追い切られる。俗に言う木曜追いは日曜に出走することが確定的な馬だけ。追い日から中1日でレースを迎えることは、なるべくなら避けたい。

5日の金杯に出走するとなれば、理想の追い日は2日。だが、前日が元日のためトレセンは全休となる。全休明けに速い時計を出す厩舎は少ない。とはいえ翌3日に追い切ればレースまで中1日となってしまう。30日や大晦日に時計を出して、3日に流す程度に乗ることもあるが、それにしたところで手探り感は免れない。かくして金杯は荒れるというわけである。

しかし今年に関しては全休日となる元日が月曜日だから普段と同じ。しかも金杯はその週の土曜日に行われる。これであれば変則日程には当たらない。2007年と18年の金杯が行われた1月6日も土曜日に行われている。

念のため2007年よりも前に1月6日に行われた金杯を調べてみると、1985年まで遡る必要があった。

1985年1月6日 第34回金杯
スズパレード    56.5 田村正 1人気
リキサンパワー   51.0 田面木 15人気
③カネクロシオ    56.5 蛯沢誠 2人気

この年は土曜日ではなく日曜日の実施だったが、上位人気と人気薄という組み合わせは2007年や18年に通ずるものがある。わずか3回のサンプルとはいえ2番人気馬の堅実ぶりに注目しないわけにはいかない。

先ほど、夜間発売が始まったばかり時点ではマテンロウレオが2番人気に推されていた。手綱を取る横山典弘騎手は現役最多となる中山金杯4勝を誇る。一方で1月6日の中山金杯に限れば2007年が4番人気ワンモアチャッター16着、18年3番人気ダイワキャグニー5着と良いところがない。果たして今回はどうなるか。もし勝てば、岡部幸雄氏の持つ中山金杯歴代最多勝記録に並ぶ。注目しよう。

2005年の金杯を勝ったクラフトワーク横山典弘騎手

 

***** 2024/1/5 *****