桃は咲いたか、桜はまだか

今日の大井メインは準重賞の桃花賞。そのひとつ前に行われる、10Rおうし座特別の出馬表に聞いたことのあるような馬名を見つけた。

それが1枠1番のダイアモンドモア。ダンカーク産駒の4歳牝馬で6番人気に推されている。最初は東京3歳優駿牝馬浦和桜花賞を勝った名牝・ダイアモンドコアの同一馬名さんが登場したのかと勘違いした。しかしよくよく見れば1文字だけ違う。どういうことかとさらに調べると、母ウエバフラッシュがダイアモンドコアの産駒だということが判明。つまりダイヤモンドモアはダイヤモンドコアの孫娘ということになる。

ダイアモンドコアは1997年の東京3歳優駿牝馬に加え、翌年の桃花賞桜花賞を勝った南関東の名牝。4歳時に挑戦したエルムSでは単勝オッズ288.7倍というとてつもない人気薄にもかかわらず、あわやの4着に追い込むと、続く南部杯でも王者ウイングアローにハナ差まで迫る激走を見せて南関ファンを狂喜させた。桃花賞では2番手追走から、持ったまま後続を3馬身千切り捨てて格の違いを見せつけている。

1998年 桃花賞 ダイアモンドコア(森下博

繁殖入りしたダイアモンドコアの産駒たちは、6頭が中央地方あわせてのべ33勝を挙げる活躍をしているが、中でも筆頭格はナイキハイグレードで間違いあるまい。2009年の羽田盃勝馬で母子でのクラシック制覇の立役者となった。

ともあれ、26年前にダイヤモンドコアが圧勝劇を決めた桃花賞当日に、その孫娘が出走するのも何かの縁に違いない。せっかくだからと単勝を購入してみたが、結果8着と振るわなかった。

ダイヤモンドコアが勝った当時の桃花賞は3月に行われていた。本来桃の花の見ごろは桜と同じ3月下旬。歳時記でも春の季語とされている。1月に桃の花はまだ早過ぎた―――、そう思いたいところだが、なんだかんだ私の単勝馬券が邪魔をした可能性もあるだろうか。だとしたら申し訳ない。

直後に行われた今年の桃花賞はシトラルテミニが3馬身半差の圧勝。デビュー戦を勝ってからは7戦連続で重賞を走り続けた格の違いを見せつけた。

桃花賞勝馬による桜花賞制覇は2010年のショウリダバンザイを最後に途絶えている。さらにその前となるとダイアモンドコアまでない。南関東の桃と桜は関連性が案外薄いということか。しかし昨年から桜花賞の距離が1500mに短縮されたことは見逃せない。1500mの金沢プリンセスカップも楽勝しているシトラルテミニとっては強気になれる話であろう。

 

***** 2024/1/23 *****