定まらぬ節分

神田明神ホールのイベントに参加したついでに―――と書けばバチが当たりそうだから書き直す。神田明神に参拝したついでに神田明神ホールのイベントに参加した。早いもので明日は節分。豆撒き用のステージも設営準備を終えて明日の節分祭を待っている。

本来「節分」とは文字通り季節の分かれ目だから春・夏・秋・冬と年に4回やってくるはず。しかしいつの間にか冬と春とを分かつ立春の前日のみを指すようになった。これは立春前日の節分が、ただ単に季節の境目というだけでなく、年の境目、すなわち大晦日の意味を持っていたからにほかならない。

しかし2月3日の節分当日にJRAで節分ステークスや節分賞が行われることは案外少ないのである。そもそも節分が土日に重ならなければならない。しかも今年のように、せっかくJRA開催日と節分が重なっても節分ステークスが行われるとは限らない。私自身、てっきり明日のメインは節分Sだと思い込んでいた。もう先週行われてたんですね。

過去50年でも節分Sあるいは節分賞が節分当日に行われたことは4回しかない。逆に2月4日以後のパターンが19回もある。言葉の意味からすれば、年が明けてから「大晦日賞」や「年末特別」を実施するようなもの。まあ、こんなこと気にする人はあまりいないのであろう。

気にすると言えば、節分の風習を独占しつつある「恵方巻」も気になる。関西出身の友人から「節分には巻き寿司を丸ごとかぶりつく」と聞かされたのは四半世紀ほど前のこと。「なんじゃそりゃ?」と当時は一笑に付していたのに、あれよあれよと言う間に関東を席巻してしまった。関西パワー恐るべし。いまや、家庭では豆撒きより恵方巻が多数派であろう。

今年の節分Sは関西馬クルゼイロドスルが勝った。それを受けて我が家でも今年の節分は恵方巻を食すこととする。もし関東馬が勝ったら豆撒き。そういうルールにしても良いかもしれない。そのためにも節分Sは節分の日か、せめて節分の前に実施してほしい。神田明神はもちろん、神馬「あかり」ちゃんにもお願いしておこう。

 

***** 2024/2/3 *****