2月のオールスターカップ

報知オールスターカップが正月開催に移って20年。年始の風物詩として定着しかけたこのタイミングで行われた全日本的なダート競走の体系整備によって川崎記念が4月に移動となり、その前哨戦たるオールスターカップも2月のレースに生まれ変わった。

その一方で、船橋報知グランプリカップは2月から1月に移動。報知新聞社杯の順番が入れ替わった。この20年間の開催スケジュールに慣れ切った身にとって、報知グランプリカップの1~3着馬が報知オールスターカップに出てくるというのはどことなく違和感を覚えるが慣れるしかない。

その報知グランプリカップを勝ったエルデュクラージュは、昨年のオールスターカップの優勝馬でもある。オールスターカップ連覇と報知杯の連勝を目指して中1週をものともせずに出走してきた。ちなみにオールスターカップ川崎記念の前哨戦となった2004年以降、連覇も、そして同一年報知杯連勝も、どちらも記録されていない。さらに過去59回のオールスターカップの歴史を紐解いて10歳が勝った例もない。もし勝てば記録づくめの勝利となる。

しかし1番人気に推されたのはライトウォーリアだった。こちらは明けて7歳。昨年は未勝利に終わったが、ダートグレードで常に地方馬最先着を果たしてきたレースぶりをみんな知っている。前走の勝島王冠は地元馬相手に不覚を取ったとはいえ、4キロの斤量差を思えば能力差とは言えまい。グレード別定の勝島王冠でライトウォーリアが背負ったのは58キロで賞金別定の今日は57キロ。こうなるとエルデュクラージュやスワーヴアラミスの58キロは厳しい。

レースは大外からライトウォーリアが先手を主張。2番手にヒーローコール。スタートでその2頭に挟まれたエルデュクラージュは3番手に収まった。しかし後方にいたナニハサテオキが2週目の向こう正面で2番手に上がると、ヒーローコールもエルデュクラージュも付いて行くことができない。両馬ともグランプリカップから中1週のローテが響いたか。あるいは斤量が堪えたか。いずれにせよ、そんな2着争いを尻目にライトウォーリアは直線も危なげなく逃げ切って重賞3勝目を挙げた。

エルデュクラージュの連覇はならなかったが、実はエルデュクラージュもライトウォーリアもキャロットファームの所有馬。さらに一昨年の優勝馬ノーヴァレンダも同一馬主であることから、キャロットファームは馬主としてオールスターカップ3連覇を達成したことになる。このレースが7月に行われていた当時にアマゾンオペラが3連覇を果たして以来のこと。キャロットファーム所有の現役馬は、現時点で15頭が南関東に在籍していることを思えば、4連覇もあるかもしれない。

 

***** 2024/2/1 *****