改革元年のトライアル

今週の大井開催は今日のフジノウェーブ記念がハイライトだが、開催全体で見れば「トライアルシリーズ」とでも呼びたくなる番組内容。初日から明日まで4日連続で優先出走権のかかったレースが続く。

月曜 ブリリアントCトライアル(ブリリアントC)
火曜 スターバーストC(羽田盃
水曜 フジノウェーブ記念(東京スプリント
木曜 ネモフィラ賞(しらさぎ賞

スターバーストカップは昨年度まで秋に行われていた準重賞。3歳限定の大井2000mという条件は同じ。私の所有馬が出て、しっかり負けたのでよく覚えている。例年少頭数になるので、馬を使う立場からすればありがたいレースだったが、さすがに此度の「3歳ダート三冠路線の整備」の波は掻い潜れなかったか。まあ、競馬を観る立場に立てば見直しに異論はない。

とはいえ新装スターバーストカップも7頭立てに留まった。一頭強い馬がいたせいかもしれない。そんな圧倒的人気に応えたのはモーニン産駒のマッシャーブルム。オッズ的にはもう少し突き離しても良かったが、3か月ぶりの競馬でしかもJRAからの転入緒戦だったことを差し引けばこんなものか。これで無傷の2連勝。なにより羽田盃の優先出走権を確保できたことは大きい。

昨年はミックファイアがデビュー4戦目で羽田盃を制したが、レース10日前の時点で出走優先順は絶望的とも言える32番目。出走自体が奇跡的だった。歴史に残る三冠はミックファイアの実力はもちろんだが、何頭もの回避馬のおかげで達成されたとも言える。JRAや他地区にも門戸が開かれる今年のルールなら除外されていたに違いない。

昨年までは羽田盃に出るには京浜盃で上位に入るか、十分な獲得賞金を積みましておく必要があった。京浜盃に出るにも賞金が必要だから、結局はたくさん走って入着賞金を確保しなければならない。過去10年の羽田盃勝馬の平均キャリアは7.4戦。2018年のヤマノファイトに至っては12戦目にして掴んだ栄冠だった。

2018年 羽田盃 ヤマノファイト・本橋孝太

もしマッシャーブルムがデビュー3戦目の羽田盃を勝てば前代未聞。3戦3勝で皐月賞を制した昨年のソールオリエンスの偉業にも匹敵する。ちなみに雲取賞を勝ったブルーサンが勝っても史上初のJRA所属馬による南関東クラシック制覇となるわけで、新たなダート三冠路線は、のっけから象徴的な結末が待っていそうな予感がしてきた。どちらもモーニンの産駒というあたりも興味深い。

 

***** 2024/2/28 *****