もっともメジャーなコースのチャンピオンは

JRAの年間開催日数はのべ288日。だから年間の総レース数は、1日12レース×288日=3456となる。

では問題。その3456レースの中で、もっとも多く使われたコースはいったいどこか?

冬場を考えると、ダートの方が多く使われていそうなことは想像できる。ならば、もっとも開催日数が多かった東京のダート1600mあたりかと思えばそうでもない。実は中山のダート1800m。開催日数では東京(45日)はおろか、阪神(46日)にも及ばぬ42日間でありながら、中山のダート1800mは139回も使われたのである。

2番目に使われたコースは中山のダート1200mで126回。ちなみにダートのチャンピオンコースである東京ダート1600mは116回でしかない。とはいえこれはコースバリエーションの乏しさが原因。厳冬期の開催が多い中山はダートコースの使用頻度が多いにもかかわらず、実質的に1200mと1800mの2パターンに限られる。そういう意味ではあまり褒められた話でもない。実際、冬の中山はダート1200と1800が交互に繰り返されるばかりで、正直飽きる。

ともあれ中山のダート1800mというのは、JRAにおけるもっともメジャーなコース。中でも今週末に行われるマーチSは中山ダート1800m唯一の重賞として、その最高峰に位置する。2018年の優勝馬センチュリオンはJRAで通算8勝を挙げたが、そのすべてが中山ダート1800mというスペシャリストだった。ある意味、勝つべくして勝った一頭とも言える。

2018年 マーチS センチュリオン 幸英明

今年の出走予定馬を見渡すと、4歳牡馬のキリンジだけが中山ダート1800mの出走経験を持たない。なら勝ち目は無いのかと言えばさにあらず。センチュリオンの10年前、2008年の優勝馬ナナヨーヒマワリは、キャリア47戦目にしてこれが初めての中山ダート1800mだった。オーソドックスなコースであるがゆえに、コース経験を問わないのも中山ダート1800mの特徴のひとつ。キリンジにとっては心強いデータだ。

2008年 マーチS ナナヨーヒマワリ 小原義之

 

***** 2024/3/21 *****