うどんの日

今日7月2日は「うどんの日」です。みなさん、ご存じでしたか?

夏至から数えて11日目は、二十四節季をさらに三分割した七十二候のひとつ「半夏生」(はんげしょう)にあたる。この時季、讃岐では田植えのお終わる頃合いで、農家はうどんを打って、田植えを手伝いに来た人をもてなす風習があった。「うどんの日」はそれにちなんで香川県の団体が制定したのだが、国内はもとより地元讃岐でさえ認知度はそれほど高くないという。

なぜか。そもそも讃岐では毎日が「うどんの日」なのである。今日はうどんの日だからうどんを食べよう―――そんな意識が芽生えるような土壌ではない。讃岐のうどん文化の根強さをあらためて思い知らされる。

だけど、讃岐人ではない私にとっては特別な日。今日のお昼はうどんにしよう―――と考えつつ、とりあえずは調べ物のため霞が関の「Gate.J」へ。書架から昭和40年当時の資料を引っ張り出してもらい、重たいページをゆっくり繰りながらも、頭の中では昼メシの店探しに考えを巡らせていた。せっかくだから讃岐うどんの店がいいなぁ―――なんて調子では調べられるものも調べられない。そこで「Gate.J」にほど近い「うつけ」に駆け込んだ。

しかしここは肉汁うどんを中心とした武蔵のうどん系。讃岐ではない。でも「うどんの日」は讃岐の風習だから、讃岐っぽいメニューはないかと探したら、なんと明太釜玉うどんがあるではないか。

果たして提供された一杯は想像の斜め上を行くものだった。

卵や生醤油を自分で入れるのは良い。武蔵野スタイルの太い麺がそもそも釜揚げではない。というか冷水でキリっとしめられた冷たい麺なのである。だから卵を入れても固まるここともない。どうなんだ、コレは?と訝しんで啜ってみたが、これはこれで美味かった。釜揚げを啜って小麦の香りを味わうのではなく、ワシワシと噛んで小麦の味を感じる釜玉というのも悪くない。

「うどんの日」の行事はこれにて終了。「Gate.J」に戻って調べ物の続きに取り掛かる。

資料のページを繰りながら、また考えた。安田記念有馬記念など「記念」がつきものの競馬だが、競馬の「記念日」というのはまだ制定されていない。

一応、9月16日が「競馬の日」ということになっているらしいが、これは日本中央競馬会創立記念日にほかならず、一般の競馬ファンはおろか、業界的にも認知度は低い。

敢えて「競馬記念日」を定めるならば、やはり先人の労苦を讃える日とすべきであろう。ならば4月24日はどうだろうか。92年前に記念すべき第1回の日本ダービーが開催された、その日である。

そんなことを考えてたら、その第1回ダービーの資料を読みたくなってきた。「Gate.J」は様々な資料が揃っていて便利なのだが、あれもこれもと目移りしてしまっていけない。まるで私の馬券のようだ。

 

***** 2024/7/2 *****