ここ一番の勝負に臨むにあたり、トンカツやカツ丼を食べる人は多いと思うが、カツカレーもまた勝負メシとしての地位を確固たるものにしている。将棋の藤井聡太七冠や羽生善治九段も対局中の食事にカツカレーを注文するし、政治の世界でもホテルの決起集会ではカツカレーが珍しくない。
むろん競馬場でもカツカレーはゲン担ぎメニューの定番。ちょっと気の利いたレストランなら、メニュー名に「勝つカレー」と表記している。むろん、これを食べたからといって必ずしも「勝つ」とは限らない。そんなことは誰でも分かる。さすがにこれを「メニューの偽装」などと騒ぐようなバカはいない。
今日は新横浜でバドミントン・ジャパンオープン決勝を観戦。まずウインズ横浜に立ち寄ってキーンランドCの馬券を仕入れる。しかるのち横浜アリーナに向かおうとすると、ウインズ近くのビルに「勝カレー・天馬」の看板を発見した。

場所が場所である。場外の客を意識したネーミングなのかは分からぬが、とりあえず一杯ひっかけて行こう。そんな気軽な気持ちで注文したカツカレーは、思いのほか立派なトンカツが載っていて感心させられた。カレーの味も悪くない。これなら馬券は当たったようなものか。

気を良くして、ようやく横浜アリーナへ。まもなく第5試合の女子シングルス決勝が始まる。
寄り道ばかりしていたのは、そこまで日本人選手の出番がなかったから。男子単、複、女子複、男女複の4種目では日本人選手は既に敗退してしまっている。シダマツもワタガシも準々決勝で姿を消してしまった。パリ五輪直後とあって調整が難しいのだろう。それでも、女子単の山口茜選手は日本人としてただ一人決勝に進出。ならば多少なりとも気負いが生じても不思議はないところだが、終始リラックスした様子でストレート勝ちを収めた。大会史上最多タイとなる4度目のダイハツジャパンオープン制覇にスタンドの拍手が鳴りやまない。ステイヤーズS3連覇の後、3度のチャンスがありながら、ついに4勝目が掴めなかったアルバートの苦労話を持ち出したらバドミントン関係者に叱られるだろうか。ともあれ快挙である。

ちなみに山口茜選手の勝負メシは地元福井の名物・ソースカツ丼なんだそうだ。実は福井にソースカツ丼が根付いて今年は100年目の節目にあたる。そのせいか今や福井市のカツ購入額は日本一を誇るらしい。

東京でも三越前の「奏す庵」で味わうことができる。丼から具材がはみ出るほどのボリュームにワクワクしながら蓋を開けると、立ち上る湯気とともに甘酸っぱいウスターソースの香りが鼻をくすぐる。敷き詰められた大判の豚カツとソースの染みたご飯との相性は抜群だ。山口茜選手も食べてきたのだろうか。ちなみに私のキーンランドCの馬券は見事的中。8番人気で2着のモレイラ騎手の勝負強さはもちろんだが、勝カレーのご利益もさすがとしか言いようがない。
***** 2024/8/25 *****