繋がった血

エスコンフィールドは2日連続で屋根を開放。結構珍しいのかなと思いきや、芝養生のため「条件が許す限り開ける」というスタンスらしい。それもひとえに天然芝に日光を浴びさせるため。養生ライトの設備もあるけれど、やはり直射日光の効果は絶大だ。一度の開閉で百万円かかると言われているみずほペイペイドームと異なり、数万円の電気代で開け閉めできるとのこと。そう考えると、「ドーム」ではなく、あくまでも「屋根付き」球場なんですね。

それでも昨日おとといと楽天イーグルスとの激戦にさらされた芝生はだいぶ傷んでいるのが分かる。グランドキーパーさんも朝からフル稼働。この光景を見れば、これ以上芝生を痛めたくはない。だからといってファイターズの試合以外に使わせないのは宝の持ち腐れだ。内野の人工芝化は苦渋の決断であろう。そもそもダグアウト前のファールゾーンの芝はオープン当初から人工芝だった。それが拡張されるだけと考えれば心理的抵抗は薄い。問題は外野をどうするかだ。

門別競馬場へ移動すると上空一面が紫色の雲に覆われていた。不吉なことが起きなければ良いが……。

9レースのビーラジ賞に見たい馬が二頭いる。その一頭がナデナデ。ご存知の方も多かろう。リアルスティール産駒の3歳牡馬で、お母さんのカノヤトップレディは、快速で鳴らしたカノヤザクラの妹という血統。馬名ファン絶賛のこのネーミングは、イラストレーターのおがわじゅりさんがSNSに呟いたアイデアを、犬塚オーナーが実現したものだ。

今日のナデナデは、後方追走から直線で外に持ち出されると、さらに外から併せてきた人気馬を競り落とす勝負強さを見せて3着に頑張った。初勝利は近い。そのナデナデに競り落とされた人気馬こそ私が見たかったもう一頭のブリリアントゲート。グロリアスノア産駒の3歳牡馬なのは良いとして、お母さんのブリリアントアリスが私の生産馬なのである。もはや孫の運動会を見守る祖父の気持ち。走る姿を見るだけで泣きそうになった。いや、ちょっと泣いたかもしれない。

グスグスと涙ぐんでいると船橋から知らせが入った。

なんとブリリアントアリスの2番子、つまり今目の前を走ったブリリアントゲートの半弟が船橋の2歳新馬戦を6馬身差で圧勝したらしい。父ハッピースプリントの2歳牡馬で名前はヴォラーレ。自分の手掛けた血統はしっかり繋がっている。これほど嬉しいことはない。今宵はささやかに乾杯しよう。

 

***** 2024/8/29 *****