東スポ杯いまむかし

明日の東京では東京スポーツ杯2歳Sが行われる。かつての府中3歳Sに「東京スポーツ」の冠が付いたのは1997年のこと。キングヘイローで制した福永祐一騎手にとって、これが記念すべき初重賞タイトルだった。

1997年 東京スポーツ3歳S キングヘイロー 福永祐一

近年では出世レースの印象が強い。2017年から5年間の勝ち馬を順に並べると、ワグネリアン、ニシノデイジー、コントレイル、ダノンザキッド、そしてイクイノックス。勝ち馬が5年連続でGⅠ(JGⅠを含む)ホースにまで上り詰めるレースなどほかに無かろう。2着馬にもタイトルホルダー、スワーヴリチャード、メイショウサムソンといった名馬の名前が並ぶのだから、GⅡ昇格に異論はない。なんならGⅠでも良い。

ところで、1996年以前にも「東京スポーツ杯」が行われていたことを覚えておいでだろうか。秋の東京の芝2400mで行われていた古馬オープンのハンデ戦。1992年にはセントライト記念ライスシャワーを破ったばかりのレガシーワールドが出走したことも。トップハンデを背負いながらも、セン馬ゆえに菊花賞に出ることを許されぬ鬱憤を晴らす激走で古馬を蹴散らした。

だが、古馬2400mの東京スポーツ杯の勝ち馬を見渡したところで、レガシーワールド以外にGⅠのタイトルに手が届いた馬はいない。むしろかつての東スポ杯は“オープン大将”が輝くことのできる希少な舞台だった。そういう意味でも、現在の東スポ杯とは大きく立場が異なる。

1995年 東京スポーツ杯 カミノマジック 武豊

写真はカミノマジックが勝った1995年の東スポ杯。彼もまた、オープン特別2勝の実績を誇りながら、重賞となると(0,0,0,17)とからきしだった。ただエメラルドSでステージチャンプを破った時の勝ち時計2分30秒4は、今も破られぬ阪神芝2500mのレコードタイム。馬場改修により芝2500mという距離設定がなくなってしまったことを考えれば、この記録は不滅であろう。たとえ重賞タイトルを持たなくても、旧阪神競馬場の記録とともにカミノマジックの名前は残る。

2歳重賞・東スポ杯に話を戻す。府中の1800mという舞台設定ゆえ、我々はどうしても将来のクラシックホースや天皇賞馬を探しがちだ。その一方で、キングヘイローマイネルラヴの2頭で決着した1997年のように、1&2着馬がのちにスプリントチャンピオンへと成長するケースも間々ある。

2001年 東スポ杯2歳S アドマイヤマックス 福永祐一

2001年の優勝馬アドマイヤマックスもそんな一頭。ここを2馬身半差で圧勝すると、朝日杯ではなく2000mの距離を求めてラジオたんぱ杯へと向かい、翌年には菊花賞で2番人気になるような中長距離志向の馬が、最後には高松宮記念を勝つのだから競馬は分からない。なにせこの時季の2歳馬である。能力を図るには申し分ないが、距離適正までは決めつけない方が良さそうだ。

 

***** 2024/11/15 *****