ペイペイ使えます

大井競馬場は開催の最終日―――と思ったら、明日もあるんですね。ただ明日は入場できないので、一般入場できる開催としては今日が最終日。

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わざわざやってきたのはほかでもない。この開催から大井では一部の券売機にPayPayでの決済機能を導入した。券売機におけるQRコード決済は公営競技では初の試みらしい。これを体験するには、入場して実際に券売機を操作する必要がある。それを目当てにしている私にとって、やはり今日は「最終日」だった。

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PayPayに対応している端末はL-WING1階のパドック側に設置された18台。操作説明のためと思しき数人のスタッフが、周辺に待機して我々の馬券購入の様子を遠巻きに見守っている。

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さっそく実践。使用するマークカードは現金購入と変わらない。塗り終えたマークカードを片手に券売機の前に立ったら、まずタッチパネル右下の「PayPay」のマークをタップ。しかるのちにマークカードを入り口に滑らせる。「先にお金を投入」のルーティンを身体で覚えてしまっている筆者は、ここで多少戸惑いを覚えた。購入確認の画面を経て、自身のスマホに表示したQRコードを券売機左側の読み取り機にかざせばよい。「ペイペイ!」という声が聞こえて、いつもと変わらぬ馬券が出てきた。

マークカードも、馬券も、さらに券売機も現金購入と同じ。払い戻しも現金だから、現金購入とさほど変わりはない。現金を持ち歩くための財布がスマホに置き換わっただけの話。これをしてギャンブル依存症の増長に結び付けるのは早計であろう。「PayPayマネーライト」や「クレジットカード払い」は使えないことからも、財布がスマホに変わっただけの印象が強い。

ただし普段から馬券に親しんでいる向きには、意外な落とし穴が2つある。

ひとつ目は、PayPayが残高不足だった場合のハンドリング。なんとこの場合、投入したマークカードは戻ってこない。これが「仕様」だそうだ。筆者もいきなりこれを食らって、すぐさまスタッフが飛んできた。おそらくボックス買いでの1点あたりの購入金額の単位の塗り間違え。「百」とすべきところを、誤って「千」にマークしてしまったのだと思われる。「思われる」のだが、マークカードが戻らぬ以上、これを確認する術はない。

もうひとつの注意事項は、先ほどのマークミスのケースで、残高に余裕があったとしたら誤った金額の馬券を購入する羽目になるという点である。現金ならば先にお金を投入するのが大原則。つまり事前に入れた額面以上が決済される恐れはない。もちろんQRコード決済でも購入内容をしっかり確認すればマークミスへの対処は可能だが、現金購入よりも気付かぬ可能性は高いと感じた。まあ、それが当たる可能性も否定できないが。

とはいえ利用者には一定のメリットがあることは間違いない。一方で、主催者側にも記名式発売ができるというメリットが見込まれる。誰に何をいくらで売ったか。主催者はそれを知りたい。JRAのスマッピーやUMACAも目指すところは同じであろう。でも私個人は知られたくない。モノ珍しさでPayPay投票を体験してみたが、やはり私は現金払いの方が性に合っているようだ。

 

 

***** 2023/12/8 *****