福岡3大うどん(どきどきの小倉)

先週で小倉開催は終わり。今年の冬開催はは8週16日間、例年の倍に及ぶロングラン開催のフユコクだった。

そのぶんナツコクは例年の半分になる。しかも今年は1か月前倒し。6月末から7月までの開催だから、夏の旅打ち計画を立てている方は注意されたい。しかもそれが2024年の小倉開催ファイナル。7月半ばで「今年最後の競馬」と言われても小倉のファンは困るだろう。でも決まっているものは仕方ない。

小倉は知る人ぞ知るうどん激戦区だ。焼うどん発祥の地としても知られるが、やはり「どきどき」と呼ばれる肉うどんこそ真骨頂。戦後の小倉を発祥として、その後北九州市や博多で進化を遂げてきた。甘辛く煮込んだ牛の頬肉をつゆに入れ、うどんと一緒にに煮る。真っ黒で肉の脂が浮かぶツユを、彼の地の方言で「どぎどぎ」(東京では「ぎとぎと」)していたことにちなんでこの名が付いた。あの博多華丸さんが最後の晩餐に選ぶほどだから、その味は折り紙付きであろう。

東京でも数年前からこのうどんを出す店をチラホラ見かけるようになったが、ブームと呼ぶには程遠い。だから本格的に味わいたい人は小倉まで行くことをお勧めする。ご当地グルメとは本来そういうもの。しかし次の小倉競馬は夏まで開催されないから、都内で「どきどきうどん」を提供してくれるお店はありがたい。

JR神田駅と地下鉄三越前駅の中間あたりに「神田肉うどん」はある。早朝からオープンしているのは、本場小倉と同じだが、夜はバーとして深夜まで営業する店構えは小倉のそれとはかなり異なる。

初めての人が驚くのは真っ黒なダシであろう。だが、見た目ほどしょっぱくはない。脂と生姜の為せる業。どこか懐かしさを感じる一杯だ。

本場小倉では競馬場の近くに人気店が集まっている。1レース前から営業しているので、立ち寄ってみるのも悪くない。どの店も取り放題の漬物が置いてあるのが嬉しい。キャベツや切干大根や明太子。そのせいかうどんと一緒にご飯を注文するお客さんも多い。博多華丸さんのサイン色紙を眺めながら一杯ひっかけて、競馬場に向かおう。

 

***** 2024/3/6 *****