茨城新聞杯から頂点へ

先週日曜の中山10R、スプリンターズSのひとつ前に行われた茨城新聞杯を勝ったのは1番人気のショウナンサムデイだった。

ゲートの出は今ひとつ。しかし池添謙一騎手は慌てることなく、ナチュラルに内ラチ沿い4番手に馬を収めることに成功する。そこからは動かず騒がず。直線に向いてからやおら外に持ち出すと、余裕たっぷりに差し切った。

2025年 茨城新聞杯 ショウナンサムデイ 池添謙一

前走はミラージュナイトの大捲りに踏み遅れた格好で2着に敗れたが、今回は完勝と言って良かろう。これで3勝目。中2週の秋華賞に出ようと思えば賞金は足りる。母ショウナンパンドラとの母子制覇となれば秋華賞としては2例目だ。ファンとしてはそのチャレンジを見てみたい。

秋華賞の母子制覇はアパパネ(2010年優勝)とアカイトリノムスメ(2021年優勝)が達成している。しかし2021年の秋華賞はソダシが話題をさらっていた。コロナ禍の制限下ということで入場者数はわずか4732人。しかし競馬場を覆いつくした熱気はそれを感じさせない。ソダシの敗北が決定的になった瞬間の悲鳴にも似たどよめきは、5万観衆のそれに匹敵していた。

2021年 秋華賞 アカイトリノムスメ 戸崎圭太

勝ったのがアカイトリノムスメだったことは間違いない。こうして写真も残っている。しかしどうしても「ソダシが負けたレース」の印象が強い。母子制覇のこともしばらく気付かなかったほど。アカイトリノムスメには申し訳ないが、この秋華賞はそういうレースだった。

あれから4年。今度は最初っから母子制覇を意識して秋華賞制覇を観ることができるだろうか。母ショウナンパンドラも夏競馬をステップに秋華賞を制した。ショウナンサムデイも母と同じ成長曲線をなぞる可能性がある。

2025年 JC ショウナンパンドラ 池添謙一

気になるのは過去の茨城新聞杯の優勝馬が大物が誕生していないことか。ダートで行われていた期間が長く続いたせいもある。1998年の優勝馬ナリタホマレが、この2走後に当時JpnⅠだったダービーグランプリを勝った程度か。

  と思って歴代の茨城新聞杯優勝馬を見れば、2000年はウインカーネリアンではないか。つい3日前にGⅠホースとなったばかり。その間5年も走り続けていたのだから恐れ入る。この年の茨城新聞杯もスプリンターズSのひとつ前に行われてはいるが、その距離は芝1800mだった。この時、5年後のスプリンターズSを勝つことを想像できた人はいただろうか。ともあれウインカーネリアンのスプリンターズS制覇は、茨城新聞杯にとっても大きな出来事だった。

 

***** 2025/10/1 *****