東京新聞杯の負担重量規定は今ではグレード別定だが、かつては賞金別定の時代が長く続いた。収得賞金が多ければ多いほどその分負担重量も増える仕組みなので、GⅠ優勝馬の好走例が少なかったのもやむを得まい。近年のGⅠ馬の好走例と言えば2014年のホエールキャプチャ。彼女はこの2年前のヴィクトリアマイルを勝っていた。

一方で牝馬の出走は確実に増えている。ヴィクトリアマイルが春シーズンの牝馬の大目標として定着したことの裏返しであろう。先ほど紹介したホエールキャプチャが勝った2014年以降の11年間で牝馬の出走は延べ27頭で、その成績は(4,4,2,17)。ちなみに、それより前の11年間では延べ13頭の出走で(0,0,0,13)と対照的だ。
今年の牝馬の出走は3頭。そのうちブレイディヴェーグとボンドガールの2頭はそこそこ人気を集めそうだ。5年ぶりの牝馬ワンツーもあるかもしれない。ただしボンドガールにとって心配の種は、4歳牝馬の優勝例があまり多くはないこと。近年では2018年のリスグラシューだが、その前となると32年前のキョウワホウセキまで遡らなければならない。
リスグラシューは桜花賞2着、オークス5着、秋華賞2着と惜敗が続き、東京新聞杯はアルテミスS以来1年3か月ぶりの勝利だった。一昨年の東京新聞杯で2着したナミュールも同様で、桜花賞こそ1番人気で10着に敗れたが、オークス3着、秋華賞2着と健闘していた実績がある。今年のボンドガールは秋華賞2着。負けた相手が2冠牝馬だけに、決して悲観する内容ではない。さらに55キロで出走できることもプラス材料。重賞での2着が多いだけに、もし賞金別定のままだったらこうはいかなかった。
2023年にエリザベス女王杯勝ちの実績があるブレイディヴェーグは56キロを背負うことになるが、昨年の府中牝馬Sを57キロで勝っているから大きな懸念ではない。むしろハードルは距離の方か。初めてのマイル戦となった前走マイルCSでは1番人気の支持を集めながら4着に敗れた。この11年間で東京新聞杯を勝った4頭の牝馬は、いずれもオープンクラスのマイル戦を勝っていた事実が重くのしかかる。

2014年のホエールキャプチャは牡馬を相手に57キロを背負わされた。一方で、この年の東京新聞杯は大雪の影響で1週間以上延期されたことも、まだ記憶に新しい。東名道も、中央道も通行止めのまま。関西の有力馬たちは16~17時間の輸送を強いられていた。そんな目に見えないアシストがあったにせよ、ホエールキャプチャが57キロを克服して勝ったことは動かしようのない事実だ。5年ぶりに東京新聞杯を牝馬が勝つシーンを見てみたい。
***** 2025/2/4 *****