パリ五輪日記⑩ 二の丑

今日8月5日は土用の丑の日。先月も丑の日があったが、土用の間に丑の日が二度訪れることも珍しくはない。いわゆる「二の丑」。もちろん二の丑でもウナギを食べて良いのだが、先月食べたばかりだと盛り上がりには欠けるかもしれない。

江戸時代の戯作者で、エレキテルの発明者としても知られる平賀源内が、客の夏枯れに困った鰻屋に頼まれて「今日は丑の日」という意味の貼り紙を書いて宣伝したところ、思いのほか繁盛したのがそもそもの始まり―――。

土用の丑の日にウナギを食べる習慣については、こんな話がまことしやかやに語られているが、実はこのエピソードには確たる証拠はないらしい。つまり単なる俗説。言われてみれば、たしかに話として出来過ぎの感はある。

立秋前の土用の時季に、夏バテを避けるため栄養価の高いウナギやドジョウ、ナマズといった川魚を食べる習慣は、既に奈良時代から始まっていた。ウナギが手に入らなければ、ウナギに似たゴボウでも良いとされたらしい。京都の夏にハモが好まれるのも、この流れだと主張する人もいる。ともあれ相手がウナギだけに、どうにも捕らえどころがない。

ウナギに限らず、名前に「う」の付くものを食べると夏負けしないという言い伝えもある。もちろんウシも例外ではない。丑の日にウシを食べるという風習は明快だ。ということはウマもきっと……アリなんでしょうね。だが、馬券歴45年、地方馬主歴18年のキャリアにより、こればかりは真似できない。

他にも「う」の付く食べ物として、丑の日にうどんを食べるという地方もある。そこで昼は淡路町「釜善」で肉ゴボ天うどんとした。牛肉+ゴボウ+うどんの組み合わせは、丑の日として完璧であろう。巨大なごぼう天のフォルムは、たしかにウナギにも似る。そもそもウナギが美味いのは秋から冬にかけて。炎天下に行列してまで食べることもあるまい。むしろ夏バテを助長するだけだ。

ちなみに、この「夏バテ」にも使われる「バテる」という言葉。この語源が実は競馬にあることをご存知だろうか。馬が走り疲れた様子を、競馬用語で「バタバタになる」と言う。これが簡略化されて「バテる」になったというワケ。念のために書いておくが、これは俗説ではない。

土用もとい土曜の札幌日経オープンで期待したタイムオブフライトは、得意なはずの長距離戦にもかかわらず大差のシンガリ負け。スタートから後方のまま全く良いところがなかった。夏バテかもしれない。なにか「う」の付くものを彼に食べさせてあげたい。

 

***** 2024/8/5 *****