「大井競馬第3レース」の謎

国民民主党榛葉賀津也幹事長が昨日の記者会見で、11人の名前が挙がっている自民党総裁選に関して、本命が見えないとした上で「◎や○がなく▲△ばかりで、予想屋も予想できない大井競馬の第3レースみたいだ」と評した。

当ブログでも、8月14日付「国家的草競馬、始まる」で自民総裁選を「田舎の草競馬」と評した自民党のかつての重鎮・椎名悦三郎氏の言葉を紹介したが、これは特定の公営競馬場や特定のレース名を示したものではない。なぜ大井なのか。そしてなぜ第3レースなのか。榛葉幹事長の言葉の真意は測りかねるが、文脈からして揶揄されたことは明らか。大井に籍を置く馬主の一人として気分の良いものではない。他の関係者やファンも同じ思いのはずだ。

とはいえ、選挙を競馬で喩えるのは今に始まったことではない。今後しばらくは新聞紙面やネットに競馬絡みの用語が溢れることになろう。立候補を「出馬」と呼ぶのは当然。当選が有力視される候補者は「本命」で、本命を脅かす存在は「対抗」である。とかく選挙は競馬に喩えられがちだ。

「下馬評」ではベテランと若手の「一騎打ち」が予想され、「勝ち馬に乗りたい」と願う面々がギリギリまで態度を決めかねる光景は、さながら発売締切直前の馬券売り場のよう。1回目の投票での「逃げ切り」を図りたい陣営がいれば、決選投票に持ち込んで「差し切り」を狙う陣営もいる。

ただし「出馬」という用語の出自は厳密には競馬ではない。手元の辞書を紐解けば「(本来は自陣内で指揮すべき大将が)馬に乗って戦場に出ること(幹部が自分から現場に出かける意にも用いられる)」とあり、すなわち軍事用語だった。転じて「立候補すること」に繋がっていく。

それでも、大井競馬第3レースが持ち出される筋合いまではない。先週の大井開催5日間で、それぞれの「第3レース」の成績を振り返ると、1番人気が2勝、2番人気が3勝。至極堅い結着に収まっている。6頭立てや7頭立ての小頭数のレースもあったから、むしろ予想は簡単だった。大半の予想屋が的中したに違いない。

2024年7月29日 大井3R アンモニャイト 達城龍次

ちなみに7月29日の大井第3レースを勝ったのはアンモニャイト。このレースは4頭立てだった。夏場の大井第3レースは2歳戦が多く組まれており、少頭数で行われることが少なくない。11人の出馬が取り沙汰される自民総裁選とは正反対。ただしアンモニャイトも2番人気での勝利であったことが多少気にはなる。人気先行馬に思わぬ落とし穴が待ち受けているという点では総裁選も同じ。小泉進次郎氏は気を引き締める必要があろう。

 

***** 2024/8/22 *****