三羽目の白鷺

来年のJRA開催日割と重賞競走の変更が発表されてから2週間が過ぎた。

発表を受けて議論が白熱するのを待っていたが、そこまで燃え上がる兆しは見られない。しかし阪神のリフレッシュ工事の影響があるとはいえ、なかなかの変わりっぷりである。宝塚記念を除けばGⅠの日程はさほど変わりはないが、その他の重賞日程が結構変わっているから、これまでのカレンダーが染み付いた競馬ファンは毎週のように戸惑うに違いない。正直、もっと反応があると思っていた。

夏場の開催日割もつまらない方向に固定化されるようだ。暑熱対策と言うが、小倉と中京の入れ替えは馬場管理対策が主眼であろう。それはやむを得ないとしても、開催日割のような影響の大きな変更は2年前からアナウンスすることも考えてほしい。1年前から翌年のローカル遠征スケジュールを計画しているファンもいるのである。

なんて愚痴を書き始めたらキリがないので日程変更の話はこれくらいにしておく。今日は新設重賞の話。米子Sが重賞に昇格した上で、「しらさぎステークス」に名称変更するらしい。オープン特別としては異例のサマーシリーズ組み入れだったが、レースレベルが上がればいずれ重賞に昇格することは規程路線だった。ただレース名変更は予想外。鳥類の名前を冠した重賞レースはファルコンS、アイビスサマーダッシュ、そしてスワンSに次いで4例目。とはいえ日本語の、しかもひらがな表記となると初のケースとなる。

ひらがなで始まるレース名を含む文章は書いていて神経を使うことが多い。「新設重賞のしらさぎS」と書けば「のしらさぎステークス」と勘違いされかねない。とはいえ句読点や括弧の乱打は美観を損ねる。

スワンやアイビスのように英語をカタカナ表記にするという手もあったはず。とはいえ「ホワイトヘロンステークス」では長いし、そもそもヘロンという英語自体が馴染みが薄い。今回の命名は姫路城の異名が由来であろうから、日本語にこだわる気持ちも分かる。

「白鷺ステークス」では都合が悪かったのだろうか。現にJRAでは白鷺特別が行われているではないか。すでに浦和には「しらさぎ賞」があり、姫路にも「白鷺賞」がある。歴史ある2羽の白鷺に3羽目として割って入る格好。ステークスという言葉でJRAらしさを出すのは構わないが、どことなく安易さを禁じ得ない。

ちなみに浦和のしらさぎ賞は今でこそ古馬牝馬の短距離重賞だが、かつては夏から秋に行われる3歳限定の重賞だった。東京王冠賞を勝ったキクノウインが1番人気の東京ダービーで敗れ、秋のスタートとしたのが1996年のしらさぎ賞。今は亡き佐藤隆騎手を背に2馬身半差の圧勝だった。

1996年 しらさぎ賞 キクノウイン 佐藤隆

白鷺に名前をさらわれた格好の米子のファンからは落胆の声も聞こえてくる。私としても米子ステークスのままで良かったのにと思わないでもない。ロータスランドからトゥードジボンまで4年連続でその勝ち馬がサマーマイルチャンピオンに輝いた特別なレース名。阪神で行われている条件特別「白鷺特別」を「米子特別」に変更するだけではお茶も濁せぬ程の存在感があった。

 

***** 2024/10/7 *****