カツ煮カレー

なんの番組だか忘れたが、有吉弘行さんが「蕎麦屋さんのカレーライスとカレー丼って何が違うの?」と盛り上がっていた。もちろん違いは器だけではないのだけど、数あるカレーカテゴリの中でも、そば屋のカレー丼が好みという人は割と多い。

そばつゆで豚肉とタマネギをひと煮立ちさせてからカレー粉を投入。小麦粉の水溶きでトロみを付けてから、どんぶり飯の上に流しかける。青ネギなんかをトッピングすると色合いがいい。カツオダシがクンと効いたカレーは、カレー大好き日本人の原点であるように思える。

考えようによってはカツ丼の作り方もさほどの違いはない。そばつゆで煮るのが既に揚げられた豚肉であることと、カレー粉の代わりに溶き玉子を投入することくらい。それでも出来上がりはまるで異なる。ただしどちらも美味い。

なのにカレー丼とカツ丼を融合させたカツカレー丼は、カレー丼にカツを載せただけ―――。そんなスタイルに、私は昔から疑問を抱き続けてきた。割とどうでも良いことが気になるんですね。ともかく、カレー丼にカツ煮が載った丼こそ「カツカレー丼」と呼ぶに相応しいのに……ぶつぶつ。などと思いつつ、たまたま訪れた幕張の街角でこんな看板が目に飛び込んできた。

 

煮込みカツカレー?

「本家絶品! 煮込みカツカレーの店」はデカ盛り業界では有名な店らしく、TV番組のロケに登場することも多いとか。メニューはカレーと丼が中心で、トッピングの肉類や揚げ物は充実しており、価格は安く、そして量が多い。学生並びに私にとっては嬉しい限り。メニューを一瞥して、迷わず「カツ煮カレー」を注文した。

揚げたてのトンカツにザクッザクッと包丁を入れ、ダシを張った親子鍋でタマネギと一緒に煮込んで玉子でとじ、それをどんぶり飯ではなくカレーライスの上に載せて完成。“丼”でないのが残念だが、カツ煮の周辺から染み出たダシとカレーの融合はそば屋のカレーを彷彿とさせ、パン粉、玉子、カレーの三重の衣をまとったカツはトロっと柔らかい。一般的なカツカレーとどちらが美味いかと聞かれたら正直答えに窮するが(笑)、これはこれでアリだとは断言できる。

屋号にもなっている「煮込みカツカレー」は、この「カツ煮カレー」とは全く別のメニューらしいので、今度はこちらを食べてみよう。

 

***** 2024/3/24 *****